1952年 兵庫県西脇市生まれ、東京、目白で育つ。 1968年〜69年 和菓子司だるま堂(東京・江古田)にて和菓子を学ぶ。 1970年より建築を独学。 1983年 川口通正建築研究所を設立、現在に至る。 1992年 UD賞 都市建築部門賞。 1999年 川口市都市デザイン賞まちかどスポット賞。 2002年 薪ストーブのある家コンクール優秀賞。
私は住まいにおける光、翳り、風、そして自然との対話による空間の可能性を信じている。どのような人間でも人体寸法を基本としたスケール感の良い空間に入ると落ち着きを感じ、心が安らかになり安堵する。建築家とは、そのような気持ちの良い空間の中に、人びとの精神生活を導く仕事であり、それこそを生きがいにしている。社会的ストックとしての良質な住宅を、ひとつひとつ丁寧に作り続けていくことが、住宅を文化の創造に結びつける道程と私は考えている。
都市の中心部に都市型民家を作ろうと思って、この建築を設計した。南に新宿の都庁、そして北に、区の保存樹木であるクスノキを借景している。伝統、光、風、プライバシー、法規制限、その他人間の生活を考えることによって、さまざまな条件を自然体で解決した結果、このような建築になった。
この作品は、都市に近い造園用植林と自然林の混じりあった地域に建っている。西下がりの敷地にあり、その傾斜を全面的に建築の構成に入れて、眺め、光、風を考えて設計してある。季節の変化が建築に強く影響を与え、その光と影のコントラストによって、美を生む建築にしている。