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| 吹抜は居間だけではない |
外国映画によくあるR階段のついた大きな吹抜のエントランスホールはともかくも、日本の住宅の玄関にもささやかながら吹抜が増えてきました。北側が玄関の場合など暗くなりがちですので、特に効果的でしょう。
居間の吹抜はよくある例ですが、暗くなりがちな1階の中廊下を吹抜にした例もあります。上方から採光が得られやすく、明るい空間となるでしょう。図は廊下ではありませんが、同じ考えで北側の食堂に日照を取り込む設計となっています。同様に廊下に近接して、あるいは居間の一角にラセン階段の吹抜をつくるのも採光上効果的です。
吹抜は外部にも可能です。外壁や梁に囲まれた中庭の吹抜、あるいは写真の様に、化粧の柱・梁に囲まれた吹抜的空間も楽しいものです。 |
| 吹抜をいかす<<しつらえ>> |
| 吹抜は天井が高いだけではつまらないものです。せっかく吹抜をつくるのですから、2階の吹抜周辺には効果的な<<しつらえ>>をしたいものです。例えば、2階の吹抜に接する空間をパソコンコーナーの様な共用空間として、吹抜との間仕切にガラスまたは透明強化プラスチック板等を多用すれば、上下階の一体感が増し、家族との接点がおのずと増えるという事も考えられます。開き窓も良いでしょう(引違窓にした場合は、ハズレ止めをした方が安全です)。 |
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| 図:北側採光を考慮した吹抜空間 |
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| 写真:外部の吹抜空間 |
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また、高窓、天窓は周囲をあまり気にせずに明かりや風を取り入れる事が出来る場合も多く、快適な空間になるでしょう。但し、吹抜上部に開閉式天窓を設ける場合はメンテナンスの事も考慮しておく必要があるでしょう。また高窓などは透明ガラスにしたいところですが、これもガラス拭きの方法を考えておいた方が良いでしょう。なお、透明ガラスを選択した天窓は多少汚れますが、それでも気持ちの良いものです。
外部の吹抜には、写真の様に樹木の一本もほしいものです。開放された庭にある樹木とまた異なった風情があるのは面白いものです。 |
| 吹抜は要注意 |
吹抜は楽しく、また快適な空間だと思いますが、設計の段階、あるいは日常の生活のなかで注意しなくてはいけない点が多々あります。主な点をあげれば、第一には費用の点です。規模や仕様にもよりますが、数十万から百数十万円かかる場合もあります。しかし、住設機器や造り付け家具、仕上げのグレード等で調整し、吹抜という空間つくりの費用を優先させた予算配分をするという考え方もできます。
第二は温熱環境の点ですが、空間も大きくなり、また開放的になる場合もありますので、足元の暖かさが不満になる事もあります。床暖房は効果的ですが、高気密・高断熱工法(例えば、旭硝子の創建空間パネルなど)が採用できれば、より快適な吹抜空間となるでしょう。第三には構造的問題です。地震時に建物が捻じれたりしない様、2階床の剛性には充分な注意を払った設計をすべきです。形態によっては、吹抜を止めた方が良い場合もあります。
第四に照明設計です。全体の明るさや吹抜の雰囲気つくりは当然として、電球の交換の事も考慮しておかねばなりません。電動昇降式器具もありますが、結構高価なものです。最後に音の問題ですが、吹抜上部に音が伝わりやすいのは確かです。多少うるさくても吹抜空間の快適さの方を優先するという方も多くいますが、吹抜生活のマナーを家族の間で話し合われておくと良いでしょう。
色々と解決しなければならない点もあるでしょうが、ぜひ楽しい吹抜生活に挑戦してみてください。 |
住まいの話題[4]執筆者
■鈴木 昭夫(すずき あきお)/サンリョウ設計(有) 所長 |