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| お客さん個人の顔が見える家を |
住宅の設計は、住まい手の人生観とライフスタイルに大きく関係しています。そのため、家族一人一人の日々の暮らし方を具体的に話してもらい、その上で新居での生活も併せてイメージするよう心掛けています。
この過程で、住まい手のプライベートな部分まで踏み込まざるを得ない場面も出てきます。しかし、十人十色の住まい手のライフスタイルを尊重する意味で、生活そのものには深く立ち入らない主義をとっています。「新しい住まいでの将来の生活にまで立ち入って責任をもつことはできません」ので、一線を画し、できるだけ干渉はしないようにしています。 |
| 和の視線で「くつろぐための家」を |
日本の住宅空間の特質は、視線の低さにあります。床に座る、床に寝るという日本人の生活行動から発した視線の低さは、床から縁側そして庭へという連続性のほかに、地窓や座卓など、日本の住まいの空間を構成する諸要素の密度の高さにもよく表れています。
こうした日本人の行動様式は、生活スタイルが洋風になっても確実に息づいています。その好例が、靴を脱いで上がることや、家の中でくつろぐ時に寝ころんだり、足を投げ出したりといった姿勢をとることです。「くつろぐための家」はこのような日本人の生活様式を基本にしています。ですから、設計の際には窓や家具の高さを低めに抑え、視線を圧迫しないよう心掛けています。 |
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| 座卓のあるリビング |
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| 生垣や樹木で囲まれた住まい |
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| 誰もができる街並みへの貢献 |
街が醸し出す優しさとやすらぎは、花や緑にあると考えています。特に住宅地においては、建物以上に直接眼に触れるのは道沿いの門や塀などです。この道沿いをコンクリートブロックの塀やアルミのフェンスといった無味乾燥なモノではなく、生垣やツタや道にこぼれる樹木など、緑や花で連続することができれば、道並そして街並はより美しく豊かなものになるでしょう。当然、四季の潤いも感じさせてくれます。
「花は心の食べ物」という言葉を聞いたことがあります。建物沿いの道に花を植えるだけで、人は満ち足りた気分になります。そんな気配りが道行く人を和ませ、住まい自体の品格を高めてくれるのです。 |
| 環境への視点 |
東京都では、2001年度から、ある一定規模以上の建物に屋上緑化を義務付けました。また、今年度はリサイクル法を施行しました。様々な環境上の政策が「マナーからルールへ」と変化してきています。緑化・雨水利用・太陽光発電などの助成金制度も採用し、その普及促進に力を入れています。建築に携わる者としてこうした環境への視点をもち、緑化や雨水浸透や雨水利用といった身近なことから実行に移したいと考えています。住宅の屋上や壁面への緑化推進も、決して遠い将来のことではないでしょう。
私は会社の名前を、クライアントをはじめ工事に関わる工務店や業者の方々と、「あうん(=阿ロ云)」の呼吸で仕事ができるようにとの願いを込め、「アトリエ阿ロ云」と付けました。日本人の生活に適った納得のいく住まいをつくる上で、この点が大切なことだと思ったからです。その思いと共に、「THINK GLOBALLY ACT LOCALLY」の気持ちで、住まいづくり、街づくりに関わっていきたいと考えています。 |
住まいの話題[15]執筆者
■宮川 享三(みやかわ きょうぞう)/(有)アトリ阿ロ云 |