■住まいの話題[23]:あなたの家のキーワード
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建築主から、住宅設計は夢があり良い仕事ですね、とよく言われます。確かにそうだと思ってやっていますが、それはお互い様。しかし、夢を持ち、プラス思考の只中にいる建築主にはかないません、といつも心の中で思います。

さて、家づくりには幾つものキーワードがあります。今回はそのほんの一部について話をしたいと思っています。

ライフスタイル = らしさ、人と家の健康 =

家を建てようとする時、あなたならどのような家を想像しますか。玄関は、団欒の在り方は? 今の自分の生活を無視して、どこかの住宅雑誌の口絵を飾っているような家だったりしていませんか?

家は簡単に言ってしまえば容器(入れ物)です。では、何のための入れ物でしょうか。個人で住む人を除けば、家族で使う入れ物ですよね。家族みんなが使用するとなれば、各人の生活がどうなっているか、つまりあなたらしい生活の仕方を考える必要があります。見栄えも大切ですが、容器によって生活が決まるわけではないので、現状の生活を考慮し、肩の凝らない健康的な家をどう造るのかではないでしょうか。

マテリアル、スケルトン = 材料、骨組み =
住宅メーカーの話を聞くと、展示場に来るお客様はありとあらゆるメーカーの家に立ち寄り、木質系や鉄骨系を問わず、各メーカーに同一の希望を述べ、プランと見積もりを出してもらい、検討するそうです。「ワカルノカナ?」と思ってしまいます。構造が違うのに・・・。
キーワード/あなたの暮らしは?
今と昔/町並みの変化
実際に展示場でメーカーの商品を見ると、木質系でも鉄骨系でも大差がなく、場合によっては見分けがつきません。骨組みは違うけれど、外も内も、仕上材料はほとんど工業製品です。だから、見える部分だけでなく、基本性能である構造躯体にも注意を払いましょう。鉄筋コンクリート造も鉄骨造も木造も、ある意味でプレファブも、それぞれ特徴があるので、建てようとする家によっては向き不向きがあります。今はインターネットで検索すれば大体の事がわかります。設計事務所では、どの構造方法でも家づくりを行っていますから、問い合わせればいろいろ話してくれます。その際、スケルトンとインフィル(躯体と可動部分)のことも忘れずに訊いておいたほうがいいでしょう。
ヒストリー、センチュリーハウジング = 歴史、100年住宅 =

住宅着工統計によれば、持ち家,分譲住宅,借家等を合計すると、年間120万戸くらいの住宅が造られています。そのうち、個人で造る持ち家は4割前後。それでも大変な数です。

住宅の取得・所有形態は様々です。例えば、アメリカでは戸建てを購入し、ヨーロッパの都市部では共同住宅がほとんどで、個人で造る人は少数です。今日、私たちは家を自分で造ることを当たり前と思っていますが、昔はどうだったのでしょうか?

実は、ほんの60年程前(いわゆる戦前)までは、日本の都市部の住宅の大部分が借家だったといわれています。町屋は基本的に借家ですし、農村部の家は代々住む「何々家の家」です。こうした家々は「結とか講」などという組織の下で、例えば数十年おきに、皆で協力して造っていました。ですから、都市部も農村部も、個人ではほとんど造ってはいなかった事になります。

それが終戦を期に政策が一変したことで、社会や生活スタイルが変わり、家づくりの方法も、また求められる質と形も大きく変わってしまい、結果として、個人の負担が増え、しかも多くの社会問題を生じさせました。

現在、住宅に求められるものの一つに長寿命化があります。これはいろいろな問題を解決してくれます。皆さん「丈夫で長持ちする」住宅をつくりましょう。日本にも少し前までは、100年持つ家がいっぱいあったのですから。

住まいの話題[23]執筆者
■太田 恒(おおた ひさし)/アトリエ・オン1級建築士事務所

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