■住まいの話題[29]:住宅は住む人の好みでどうぞ
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伝統的構法って何?

やや専門的になりますが、現在建てられている木造住宅には、軸組構法、2×4工法、丸太組構法(ログハウス)、木質パネル構法などがあります。軸組構法には在来構法と伝統的構法があります。

私が設計している木造住宅は伝統的構法というやり方です。両者の違いは、全体の架構のつくり方と接合部のつくり方にあります。木造建築には総持ち(そうもち)という考え方があり、接合部一箇所一箇所をきちんと組むことで、全体としての強度と耐久性が確保できます。昔からの継手・仕口(接合部)は、あらかじめ木と木が引き合うようにつくられているので、木が乾燥して収縮しても緩まないようになっています。これが伝統的構法のつくり方です。

在来構法は接合部を金物で止める方法で、木と木を引き合わせるという考え方がありません。在来構法は50年持たせるための技術で、伝統的構法は100年持たせるための技術だと、私は解釈しています。

古民家の解体調査
接合部の木組み(仕口)
どうして国産材なの?

家を建てようと考えている方は、近くの工事現場を是非ご覧ください。そこで使われている柱はどのような木材を使っているでしょうか。

日本で育った樹には、日本の気候に対して耐久性があり、その木で建てた木造建築は長持ちします。しかし、国産のスギやヒノキをそのまま使っている住宅は少ないでしょう。現在、国産材の自給率は2割を切っています。建築用木材として植林されても、その需要が激減したために、山は手入れもされず放置され、せっかくの資源も有効に使われていません。

それを危惧した有志が集まり、国産材の需要拡大のため「木の家づくり座談会」というNPO法人を立ち上げ、適正価格による国産材住宅を供給しています。

古材っていうけど?

私は木造住宅の本質を探るために、古民家の現況調査や解体調査に参加してきました。間取りの構成や障子や板戸(柱間装置といいます)を、当時の生活の仕方を想像しながら調査することは、謎解きのようで面白いものです。

そこで改めて、民家は生活スタイルの反映であることを実感しました。その時に、古民家で使われている構造としての力強さをもつ古材に惹かれました。古材には、当時の職人の手跡が残り、丈夫な架構をつくるための知恵と技術が詰まっています。その材料を使って空間を再構成すると、住みながらに、昔の職人に思いを馳せることができるでしょう。

空間は、理性より感性をたよりにとらえるものなので、理屈はいらないのでしょうけど!

住まいの話題[29]執筆者
■江原 幸壱(えはら こういち)/木の建築設計

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