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最近の日常生活で、ある場面での動作や感覚において、ここわずか20年たらずの間でかなりの変化があることに気がつきます。そのいくつかをあげてみたいと思います。 |
| 電話をかけるジェスチャー |
ジェスチャーによるヒントで解答するゲームがあります。「電話をかける」という出題があったとしたら、ある年齢以上の人は左手を握り耳元に当て、右手の人差し指をくるくると右に回すことと思います。そんな電話を今ではほとんど目にすることはありません。今の若者に同じようにジェスチャーしたら、果たして正解が返ってくるでしょうか? 今なら片方の手で携帯電話を握り親指で操作し、耳元に当てるジェスチャーになることでしょう。 |
| テレビのチャンネル |
同じ部屋で何人かでテレビを見ていて、別のチャンネルを見たくなった場合、以前は最もテレビの近くにいる人に向かって「チャンネルまわして」と頼みました。時には右手を突き出して、チャンネルをつまむ真似をして手首をひねる動作も加わったかもしれません。今の若者の間ではどうでしょうか。「チャンネルまわして」では日本語が通じないかもしれません。今やチャンネルは「まわす」ものではなく、単に「かえる」ものなのです。しかも、チャンネルをかえるのはテレビに近いか遠いかは全く関係なく、リモコンが手元に一番近くにある人の役割なのです。果たして今の若い世代はつまみの付いているテレビを見たことがあるのでしょうか? |
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| ぼくの部屋の広さは? |
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| 新モジュールによるプラン例 |
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| 部屋の広さの認識感覚 |
ちょうど私達が子供の頃、日本中の各家庭に子供部屋が普及しました。畳の部屋・板の間など様々でしたが、子供達の多くは皆自分の部屋の広さを無意識のうちに把握していたと思います。8畳6畳4畳半といった単位で、板の間であったとしてもほぼ正確に認識し、広さの比較までできていたと思います。生活の中で畳をよく目にしていたことや、柱の間隔、ドア・窓の巾等にほぼ一定の寸法があったことにより、誰に教わることなく自然に身についていたのだと思います。
今はどうでしょうか。一般的なマンションでは今も部屋の広さを帖数で示しています。しかし、RC壁や木軸壁の芯で囲まれた範囲を一律1.62で割算した数値になっています。便宜上、畳の枚数に換算したものにすぎません。窓の巾も千差万別。そんな中で育っている今の子供達には、果たしてどのような広さ認識感覚が育っているのでしょう? 以前のような感覚ではないことは確かだと思います。 |
| 新たなる発想 |
このようなことを考えてみて思うことは、生活の一般常識が少しずつ、もしくはあっという間に変化していることに対して、住宅の設計においても、その変化に適確に対応する、または変化の先を見越していくことが重要になってくるということです。日本に昔からある910モジュールにこだわることなく、また無意味な広さの数値にとらわれることのない、新しい発想のモジュールが必要になってくるのかもしれません。
これからの時代、新たな感覚で寸法をおさえた、生活者一人一人にマッチした空間の創造、同時に構造や設備とより合理化され創意工夫された住宅が望まれているのではないでしょうか。私は今、そのような趣旨で住宅設計に取り組んでいます。 |
住まいの話題[33]執筆者
■進士 弘幸(しんじ ひろゆき)/シンジ建築設計 |