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| 我が家の子供室 |
私が自宅を設計した時、3人の子供は11才(長女)、9才(長男)、2才(次女)という年令でした。少々の年齢差はありますが、みんなが一緒になって遊べる貴重な子供時代の真最中でした。「きょうだい」なのだから、つきあえるだけつきあってごらん、というわけで、3人を一部屋の子供室に入れたところ、彼らはその室で寝起きをし、着替えをし、遊んだり、けんかをしたり、泣いたり、泣かされたり、笑いあったり、そして時たま勉強したりするようになりました。
子供室に私が設けたのは、子供達の場となるコーナーでした。要するに、本好きな子にはたくさんの本を、工作好きな子には種々雑多な材料や道具を、ぬいぐるみ好きな子には大小様々なぬいぐるみを、それぞれが保管し、それに囲まれていられるようなコーナーを作ったわけです。もちろん、教科書などが広げられるデスクも組み込みました。
コーナーの上には各自のベッドを作り、残った場所が全員の遊び場となりました。冬になるとそこに勝手にコタツを作って、揃ってゲームなどをしています。大きくなるとさすがに、個室が欲しいと言ってきた時期もあり、仕切りの方法など考えました。でも、一応プライバシーの守れるベッドも、自分の領域であるコーナーもあり、また一緒にいることで楽しいこともあったのでしょう。上の2人は大学生になりましたが、以前と同じ状態で大きな不満もなく過ごしています。 |
| 子供用のコーナーを充実させる |
我が家は子供が3人でしたが、一人っ子の場合はどうしたらよいでしょうか。昨今は子供一人の家庭も多く、親と子のコミュニケーションの在り方に関心が集まっています。私なら、全て揃った子供室はつくらないでしょう。そして例えば、細長いデスクを作って、子供とお母さん或いはおとうさんがそこで並んで絵を描いたり、本を読んだり、パソコンを使ったり、勉強したりという「場」を設けるでしょう。 |
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| 子供室平面図 |
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| 子供室 |
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このように、大人も使うどこかの部屋の一部に子供のコーナーを設え、そこにベッドやお気に入りの物を揃えるようにします。つまり、家族の動きとどこか繋がりのある場をつくってあげたい。それは、リビングルームの延長上であるかもしれないし、家族全員のための書斎やアトリエであるかもしれません。 |
| 楽しい空間は工夫から |
日本の住宅事情を考えてみると、独立した狭い子供部屋を2つ、3つ作るよりは、個室と、それを繋ぐために必要であった廊下部分を合わせた広い部屋をつくり、そこを工夫して使った方がはるかに面白く、楽しい空間をつくることができます。
場合によっては、単なるソファーとテレビの置場に化しているリビングルームを子供室と繋げることにより、もっと楽しいアトリエ付き子供室ができるかもしれません。そして、その広いアトリエで家族みんながそれぞれしたいことをして、一緒に過ごすのです。その場合はダイニングルームも少しだけゆったりさせて、テレビを観たり音楽を聞きたい人はそちらで、という使い方も必要になるかもしれません。 |
| 子供とのかかわりを重視する |
リビングルームや子供室はこうあるべき、という形は本来あるわけではないのですから、家が狭い場合は無理に個室を幾つもつくる必要はないということを知ることも、良い住まいづくりには必要なことです。
「家の形に合わせて住むのではなく、住み手の生活にあわせて住まいを作る」とよく言われますが、「住み手の生活」が何であるかを知ることが大変難しいのです。住み手自身が良くわかっていないことが多いためです。でも、子供とのかかわりを考えていくことが、「住み手の生活」を発見する糸口になるかもしれません。 |
住まいの話題[38]執筆者
■三坂 ゆう子(みさか ゆうこ)/三坂建築設計工房 |