■住まいの話題[43]:住宅の設計に際して思うこと
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家をつくる方(クライアント)が一番気にすることは、さまざまな性能に関することと、その性能と希望する間取りが予算内で建築可能かどうかということではないでしょうか。こうした点に関心があるためか、最近、クライアントの方々は住宅に関して相当に勉強されているようです。勉強の内容も、構造・温熱環境・耐久性・メンテナンス・防犯・シックハウス・価格など、多岐にわたっています。

自己責任で家を持つ

人は一生のうちで家を建てることは何度もありません。そのため、何十年にもわたって快適な生活ができるように、自分自身で知識を得て、自分自身で判断し決定することは、とても良いことだと思います。

例えば、住宅関連の書籍や製品カタログや住宅展示場などで得た知識に基づいて、自分で製品をチェックしたり、性能を判断することが現代では可能です。また、住宅の基本価格をA、B、Cの3ランクに分け、いくつかのオプションを追加すると、各ランクごとの全体価格がすぐに分かるよう工夫することで、希望する性能と間取りと予算にマッチした住宅を選ぶこともできます。

建築家に頼む

上記のように、自分で考え、自分で決定することもできますが、家づくりでは建築家の専門的な知識を活用することもできます。建築家はクライアントの要望に応じて、目的とする用途・規模・性能に適った家を、敷地特性を活かして提案します。その上で、クライアントとの協議に基づいて設計を行い、現場を監理します。

「玄関ドア」の仕掛け例
「階段上部開口部にスリ板ガラス使用」の仕掛け例

要するに、家づくり計画の最初から建物の竣工まで、必要な全ての仕事に関わります。その中には当然、「さまざまな性能や予算」に関する事項も含まれます。クライアントにしてみれば、予算は限られているので、早い時点で金額がはっきりと示されることは好ましく、見積りが提出されるまで金額が判明しないような状況にあると不安になります。

住宅の価格には製品の仕入れ価格・取付け費・人件費などが含まれており、個々の費用割合が正確に分からないこともあります。それを不安と感じたなら、気になる部分の概算見積りを設計者に依頼するとよいでしょう。

「仕掛け」が重要

性能や間取りや予算の他にも、家をつくる際に考慮しなければならないこととして、デザインがあります。デザインとは設計上、その効果を計算づくで処理したものや、偶然による思いもよらない効果を導き出すものなど、いわば、住み手にいろいろな感触を与えてくれる「仕掛け」みたいなものだといえます。

この仕掛けは私たちに美や感動をもたらすものであり、住宅においては機械的な性能と共に重要な要素となります。しかも、仕掛けは計画当初より決定されているのではなく、家づくりの過程で必要となるさまざまな検討や検証の結果として生じてきます。

私は、快適な住まいには、機械的な性能以外、このような仕掛けが随所に施されていると思っています。

住まいの話題[43]執筆者
■今井 利一(いまい りいち)/スタジオ・ピコ 一級建築士事務所

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