■住まいの話題[48]:伝説のいえ(空間)創り
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伝説のいえ(空間)創りは、一人一人にあります。

伝説は、一人一人が創っていくことです。

伝説のいえ(空間)創りとは、いかにその空間創りに対して、それぞれが、それぞれの立場で、またある時には立場を超えて、ともに学習し、積極的に創造活動に参加していくかということです。

伝説のいえ(空間)創りは、世代を超えて創造されます。

プロセスデザインが意味を持つ

デザイナーは伝説のいえ(空間)のベクトル(方向性)を示します。ハードな意味での空間を単に提案することではなく、その人にあった、その場面にあった、さまざまな可能性と方向性を示すのです。それはまさしく、住み手、使い手と“ともに”創造する行為です。

そのプロセスこそが、重要なデザインです。私はそれを「プロセスデザイン」と呼んでいます。プロセスデザインが豊かであればある程、ハードである建物はよりすばらしいものになります。そうです! 伝説のいえ(空間)創りにどんどん近づいていくことになるのです。

楽しくありませんか? こんないえ(空間)創り。やってみませんか? こんないえ(空間)創り。

このことは、当然ながら住宅の設計だけでなく、他の建物タイプの設計にも通じます。そして、ひろく自分自身が住まう場を取り巻くすべての環境にも当てはまります。ここでは、いま私が関わっているプロセスデザインの例を2つ紹介したいと思います。

「市民とともに歩む」プロセスデザイン
若い家族のための「居場所」
市民とともに歩む

例の一つは、中央線の高架事業によって解体が発表された国立駅舎に関する「市民とともに歩む」プロセスデザインです。それは、駅前円形公園でクリスマスコンサートの開催でした。

赤い三角屋根を持つ印象深い駅舎は、大正15年の誕生時からいままで国立のまちづくりのシンボルとして、多くの人々に愛され続けてきました。街並みに溶け込んだその駅舎がいつのまにか消えることを惜しみ、解体前にイベントを開くことで、駅舎を未来に向かって活かしていこう、未来の国立のまちづくりの発火点にできないかということを、世代を越えたすべての人たちに誰にでも解りやすい言葉で発信したいという意図がありました。そして、大勢の人々が集まり成功裏に終わった最初で最後のコンサートは、伝説のイベントとして人々の記憶に刻まれるかもしれません。

若い家族のための場

二つ目の例は、あえて畑のまん中に建物を配置した若い家族向けの、現在進行中のプロジェクトです。最近は、住まいの周辺環境をあまり考えていないような家をしばしば目にしますが、このプロジェクトはそうした状況に一石を投じるのではないかと考えています。

若い家族の住まいは、自分たちのライフスタイルの変化や子供の誕生・成長に伴って変わっていきます。もちろん周辺環境とともに若い家族のいえ(空間)もさまざまに変化していきます。この住まいでは、建物の周囲が畑であるという点を特に重視しています。こうした周辺環境を強く意識しながらのいえ(空間)創り過程を通して、若い家族の新たな歴史がつくられていくのです。

住み手自身が創造できるいえ(空間)の提案、それをこれからも目指したいと思っています。

住まいの話題[48]執筆者
■中町 仁治(なかまち ひとはる)/(有)空間計画研究所・5

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