一口に建築家といっても、ひとりひとり価値観も違うし、考え方も違います。これまで私の知人から私のことを「あの建築家はいいよ」と言われて来られる方々の住まいを建てて、成功したためしがありません。
そのため、最近はこうした建主に対して丁寧にお断りしております。来られる方々も何が良いのか分からないまま、知人の紹介だからということで違和感のあるままに話が進み、こちらも知人の紹介ということで価値観を埋められずに対応し、「あら、こんなはずではなかったわ!」で終わってしまうのです。
こんな方もいます。金にものをいわせて「建主ズラをする」人です。デザインする側からすれば、建主との話し合いで出来上がるはずのデザインコンセプトを、突然、「金は出すから俺の言うことを聞け!」となってしまいます。
建主の価値観や生活感を理解し、設計条件を全て満たしながらデザインにつなげることが、建築家の仕事のノウハウです。それを快く受け入れながら議論することで、両者の理想の家が出来るわけです。それには「お互いにウマの合う関係」が必要ではないでしょうか。そこで初めて、信頼関係が生まれるはずです。