■住まいの話題[53]:住まいの「パッケージング」
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「パッケージング」とは?
最近、パッケージングという言葉をよく見聞きします。パッケージは包装・梱包(材)を指しますが、パッケージングとは一体何でしょう。簡単にいうと「あるモノを構成する要素とそれらの成り立ち方」であると私は考えています。
住まいもパッケージング?

パッケージングという言葉は、自動車や機械関係の分野では性能・寸法等の成り立ちを示す言葉として比較的古くから使われ、最近はIT関連の分野でも、性能指標的意味合いとして、一般的に使われているようです。

設計においては、基本的な空間構築の作業として「プランニング」という言葉を用います。これは(実際はそうでなくとも)平面的な意味合いが強く、「間取り」作りに近い受け止め方をされるかもしれません。確かに、イメージするものを2次元情報に置き換えようとすると、途端に寸法を与える必要性を感じ、即物的な思考になりがちです。

そこで、住まいというモノをイメージする上で、生活する諸空間の成り立ちを「住まいというパッケージング」と考え、例えば、リビングや寝室や収納やバルコニーがせめぎ合いながら同居している姿を想像すると、それぞれの関係性や重要度が整理され、わかりやすくなるのではないでしょうか。

これは実のところ、設計プロセスにおけるダイヤグラムの構築に近い行為です。ここで大事なのは諸空間の大きさや仕上げといった事よりも、住まい手が空間を単独で、あるいは拡張的にどの様に使いたいかという具体的なイメージを持つ事です。

有効な空間利用
リビングより見るキッチン
魅力的なパッケージング
チラシなどで目にするnLDK・○m²という形式はほぼ確立されたものであり、それはそれでバランスのとれた優れたパッケージングであるといえます。しかしながら、本来住む土地というのは2つと無く、またそこに住む人も2人といません。既製のものをうまく当てはめたとしても、そこで最良の暮らしが得られるとはやはり考えにくいものです。そこに住む人がその人に合った住まい方で長年暮らしていける家が、魅力的なパッケージングの住まいといえるでしょう。
オリジナルパッケージングをつくろう

つくし野の家では、変形敷地を駐車場・家・庭と明確に分け、無駄のない空間利用をしています(図)。1階には個室や納戸を配置し、より環境の良い2階に外部デッキと一体利用のできる大きな空間(リビング・ダイニング)を配置しています。また、2階にキッチン・洗面・浴室を一並びにして家事動線をコンパクトにしたり(写真)、1階の子供室を将来的に分割可能にしているのも特徴です。これはまさしく、ここに長く住まう家族4人のオリジナルパッケージングそのものなのです。

ある特定の人(家族)のオリジナルなパッケージングをつくりあげるには、既成の概念にとらわれないアイデアが必要です。形から入るのではなく、住まい手と十分に話し合いアイデアを出し合いながら、パッケージングを少しずつ形にまとめていくのが建築家の仕事です。充実したプロセスを経てつくりあげたパッケージングに間違いは存在しません。大切だと考える要素を大きく、また必要ないと思う要素は小さく、あるいはなくしてしまう。この様に、他には無い自由なアレンジが可能なのです。

別の場所、別の人では有り得ないオリジナルな楽しい住まい、そんな「オリジナルパッケージング」の住まいをおすすめします。

住まいの話題[53]執筆者
■小沢 数晃(おざわ かずあき)/FAR EAST[ファーイースト]

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