■住まいの話題[71]:「我が家」を建てよう
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「いい家」ってどんな家?
あなたにとって「いい家」って何ですか? イタリア製の家具が並べられている家ですか? レンガ敷きの庭がある家ですか? 確かにそれらは一見素敵かもしれません。でも本当に大切なのは、そこに「何があるか」ではなくて「何のためにそれがあるか」ということなのです。この“何のため”という目的をしっかり見定めた上で設計された家であること。これが「いい家」の第一条件であると私は考えます。
誰にでも出来る設計の第一歩

建物を設計するには、まず、そこを使う人をよく知ることです。「我が家」を設計するには、まず、自分やその家族のことをよく知らなくてはいけません。自分の生活パターンを思い浮かべてみてください。それは、同じように繰り返されていることが多いため、自分のものが当たり前になってしまい、他の誰のものでも、あまり違いがなく思えてしまうものです。しかし、それは人や家族によって確実に異なります。

「我が家」を設計する第一歩は、自分やその家族の生活パターンを把握すること、そしてさらに、どこに不便を感じ、どこに満足しているかを把握することです。

建築家と上手く付き合うには…

建築家が誰かの家を設計するときに、まず、現在その家族がどんな生活をしているか把握しようと全力を傾けます。あの手この手を使って、いろいろな角度からインタビューを試みます。なぜならば、その生活パターンの中に設計のヒントがたくさん隠されているからです。平日の過ごし方や休日の過ごし方の中に。そこで、あらかじめ、自分のこと、家族のこと、生活パターンのことについて、自ら把握しておくと、それを上手く伝えることができるのです。

建築家が、次にする事は提案です。把握した建て主の生活、家族の関係、要望、敷地条件、外観や内観、いろいろな事を検討した上で最初の計画案を作成します。そして、この計画案を元に打ち合わせやさらなる検討の後、修正計画案を作成します。このような作業を何度か繰り返し、家の設計は出来上がっていくのです。

二世帯住宅:外観
二世帯住宅:平面図
不利を有利に転換する

上の写真と図面は、数年前に完成した湘南に建つ二世帯住宅です。家族構成は、若夫婦、夫の両親、0歳児の子供が一人で、もう一人欲しいということでした。敷地は南斜面にあり、日当たりはいいのですが、形が三角形に近い変形敷地でカーブの途中にあります。

建て主の要望は、自動車3台の駐車スペース、バーベキューのできる緑のある庭、明るく風通しの良い居間など、とてもたくさんありました。計画案として、L字型のプランを提案しました。この形態を採用することによって、駐車スペースと庭が確保でき、居間は、向かい合う開口部を通る風と、庭に差し込む光を取り入れることが出来ます。

不動産取引などでは、四角い敷地と変形敷地では同じ面積でも前者の方が高価で取り引きされているようです。これは、四角い敷地に四角い家というのが、常識として理解されているからでしょう。しかし、この敷地のように、一見不利に思える条件でも設計次第で、それを逆手に取り、有利に転換することができるのです。

設計は誰がするのか

このように、建築家は条件の把握、多くの要望などから試行錯誤を繰り返して、計画案を提案していくわけですが、その最終決定権は建て主にあるのです。他人には素敵に思える計画案でも建て主に気に入られなくては、その案は採用されません。

そういう意味で言えば、設計をするのは建て主である、とも言うことが出来ます。建築家はそのお手伝いをしているのです。建て主が主役になる、素敵な「我が家」を一緒に、設計して、建てませんか。

住まいの話題[71]執筆者
■石井 秀樹(いしい ひでき)/ マルキ設計

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