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| 建築家住宅 |
建築家の創る家には、ある一定の法則があるように思えて仕方がない。
・「形」はなぜか四角。そして屋根がなく箱のような風貌。
・「外壁」はなぜかガルバリウム。そして開口部が大きく露出狂の様相。
・「平面」はなぜかワンルーム。そして風呂トイレが一緒でスイートルーム仕様。
・「内壁」はなぜか白。
デザイナーズ住宅と言われているものの大半はこれらの条件を備えている。さらにアカデミックな住宅は難解な文章により一般のエンドユーザーを遠ざける。すべてに意味を持たせないと「作品としての住宅」は成り立たない。 |
| メーカー住宅 |
ところが住宅メーカーは、これらとは対極に位置した住宅を展開している。
70年代にヒットした小坂明子の「あなた」の歌詞に出てくる「家」をイメージすると、子供の頃に描いた家型を思い浮かべることができる。だが、その延長線上に位置する「商品としての住宅」は、どこのメーカーもこれまた別の意味で同じに見えて仕方がない。
タイル調の外壁や石目調の屋根に始まり、花柄のクロス。すべてがフェイク(偽物)で見栄えのよさを競い合っている。このシリーズ化された標準仕様に、エンドユーザーは生活スタイルや好みを合わせなければならない。ある種のブランドを手に入れたことで満足していたのかも知れない。 |
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| 家族の気配が感じられる語らいのある空間 |
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| 「午後の休日」を楽しむスローライフな家 |
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| 生活イメージ |
時代も変わりバブル崩壊と共に、終身雇用の企業戦士だったサラリーマンは窓際族となり、リストラで今まで培った価値観を変えることを余儀なくされ、仕事よりも家族に目を向けるようになってきた。本当の自分の時間を獲得し生活をエンジョイすることが、本来の自分の生き方だと自覚する。
しかし、合理主義に染まってしまった思考はそう簡単には変えられない。「あなたのライフスタイルは?」と聞いてもピンとこなかった数年前と違い、今は自分の思い描く生活を「家族」中心の物語として話してはくれる。だが、「住まい」に対する意識は「もの」でしか示せない。 |
| 教育 |
作品にこだわる「白い壁」や、ブランド志向の「花柄のクロス」は住まい手の意識によるものではなく、供給側の都合でしかない。家に何を求めるのか。「親の背中を見て子は育つ」というように、基本は家庭にある。庭にある花を摘み花瓶に生け白い壁の前に飾る。このさりげない行為こそが、「白い壁」や「花柄のクロス」が意味する本来のメッセージであればと願う。
最近の流行りに「スロー」なる言葉がある。生活がスローなのはいいとしても、教育までがまるで便乗したかのごとく「ゆとり教育」と称している。将来の行く末が案じられる。スローライフは本質的に親の価値観にゆだねられ、「ゆとり教育」のように強要されるものではない。白い壁と生花の関係に教育のヒントかあるような気がしている。
それは、忘れかけている「もの」に固執しない情景の心とでもいうものなのだろうか。 |
住まいの話題[74]執筆者
■足立 幸寿(あだち ゆきとし)/ (株) 匠明 |