■住まいの話題[81]:コンパクトな家:狭い、安い、でも贅沢
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キョウショウ住宅流行る

今やすっかりひとつのカテゴリーになった狭小住宅。デザイナーズマンションに続いて、住宅雑誌のみならず一般誌でも人気の特集です。狭小住宅とは、狭い敷地に建つ住宅のことです。

オーナーになられた方の中には、敷地条件の厳しさから住宅メーカーのセミオーダーでは対応しきれず、勇気を出して設計事務所の門をくぐった人も少なくないでしょう。

また、比較的若い世代のオーナーも多く、服や車のようにファッションの一部として「住むこと」を考えている方が結構いるように感じます。

敷地条件の厳しさはプラス思考で

敷地が狭い、形が悪いということは、住宅を建てる条件として必ずしも不利に働くとは限りません。かえって、他にはない特徴的な家となる可能性が高いと考えることが出来ます。

厳しい条件は、建築家の創造力を刺激することが多いのです。

ローコストの豊かさ
コンパクトな敷地にシンプルでローコストな住宅を建てることは、マンション等を購入することと価格的に比較される機会が多くなってきました。ローコストという言葉が時代に後押しされて一人歩きしている感はありますが、ただ安いだけではなく建築的にも、とても魅力的な住宅が増えてきたことは事実です。
小住宅のスケッチ/断面図
完成した小住宅/外観

予算が厳しいことは建物の構造や仕上げへの制約となります。しかし、施主と設計者が新しい生活に本当に必要なものは何かをじっくり考える中から、無駄な部分が洗い流されたシンプルな家の姿が見えてくるのです。

それは他の誰のものとも違う、オンリーワンの家なのです。

オーダーメイドの贅沢

我々の日常生活には物を購入する時、自分だけのためにオーダーして作られたものを選択する機会がほとんどありません。採寸して仕上げたシャツに袖を通した時の気持ちよさは、少し遠い記憶になってしまいました。

オーダーメイドのものは既製品のものとは違い、注文してから時間がかかります。でも、出来上がりを想像する楽しみもあります。しかし、今、目の前にないものを人に作ってもらうことは難しさも併せ持ちます。想像と異なるものが出来てしまうリスクも無いとは言えないからです。

自分が欲しいのはどのようなものか、何を優先するのかを作り手に伝えることが大切になります。そんなコミュニケーションが、もの作りには欠かせないのです。

家作りでも、家のことだけではなく週末の遊びや好きな映画、趣味やスポーツのことなど、一見、直接関係ないようなたわいもない話の中に家作りのヒントが隠されています。

きっと、施主の伝えたいという思いと設計者の知りたいという思いの深さが、いい住宅になる条件ではないでしょうか。

初めは勇気が要るかもしれません。でも、オーダーメイドの家の贅沢を味わってしまったら、そんなことは忘れてしまうのではないでしょうか。

住まいの話題[81]執筆者
■矢野 雅稔(やの まさとし)/FAR EAST[ファーイースト]

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