今一度、ヤドカリを見てみましょう。ヤドカリは、住み心地が悪ければ何度でも家を取り替える。周りに空き家が無ければ、住み心地のよさそうな家を背負ったヤドカリを探し、殻を何度も相手の殻にぶつける。ぶつけられたヤドカリは我慢できなくなると殻から這い出してくる。そこですかさず、ヤドカリは空き家へ入り込み新居を獲得。家を奪われたヤドカリは、前の住人が捨てた空き家に入り込み一件落着。この執念は見習うべき。
人にとって、居心地のよい家こそ、その生活の原点ではないでしょうか。手になじんだ道具が使いやすいように、身体になじんだ家は暮らしやすいのです。衣、食、住、全てを自分の好みに合わせるのが人生の楽しみです。職人の使い慣れた道具は全て、職人本人の手でカスタマイズされ、まるで、手の一部となることで良い仕事が出来る。道具も使っているうちに直すべき所が分かり、そこを直すことで楽に使えるようになる。
お仕着せの3LDKでは、家族の構成が変われば、使えない部屋、物置ばかりになりかねない。家の中を使いやすく変えてみませんか。子供部屋は本当に必要でしょうか。趣味の世界を、隅でこそこそするのではなく、ダイニングの隣に趣味のコーナーを堂々と取って、家族を巻き込んではいかがでしょうか。工夫次第で家はいくらでも変化します。
熟年の二人暮しに、ファミリープランの3LDKは似合いません。最後の充実した生活を送るためにも、生活形態にあわせた家作りこそ、いったん取得した家に振り回されない、自由な生き方ではないでしょうか
皆さん生活を楽しむために、気軽に今の家をカスタマイズしてはいかがでしょうか。