■住まいの話題[86]:例えばこんなやり方も
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満足ですか?

今現在、お住まいの空間に満足されている方は、果たしてどれだけいらっしゃるのでしょうか? 少なくとも、僕は違います。

実は最近、本気で引越を考え、いろいろと雑誌やらインターネットで調べて見るのですが、自分の想定しているコスト(これが大事!)で納得できる空間が、全くないんです。まあ、確かにかなり厳しい要望なんですけど、安くて、広くて、気持ちの良い空間ってホントにないと思いませんか?

中途半端で訳の分からない塩ビ製建材なんかいらないから、潔くベニヤ剥き出しにしてくれと言っても、ダ〜レも相手にしてくれません。狭くて嫌だから隣の部屋との間仕切りを取っ払ってくれと言おうものなら、その瞬間に契約はあり得なくなったと思った方がよいようです。

そうです。建築をかじっている人間にとって、既存の賃貸不動産は、未だに不自由きわまりない物なのです。かといって、住む場所がないままで済む訳はないので、適当なところで手を打つしかないのが現実でしょうか。

あ〜ぁ、なんか虚しくなりますよね。ごてごてした厚化粧な空間ばかりが幅を利かせて、僕好み(やっぱり主観が大事です!)の空間がないと言う現状。これではいかん!

どうせだったら、楽しみましょう
今、引越を契機に自分で住む家を設計したい、という気持ちが増殖中です。すぐには無理ですが、自分の生活に関する感覚を自覚するためにも、こっそりと設計を進めています。普段、多くの方々の居住スペースを設計していますが、いざ、自分が住むとなると、結構、悩みます。
私好みのシンプルな空間
本棚主体のオフィス・スペース

一人でウンウン唸っていても、お金が入ってくるわけではないですし、先立つものも全然ないので、楽しんでみることにしました。要は自分で施主になって、自分に依頼をするのです。その際のコストパフォーマンスは最高の遊びです。クライアントと設計者というバーチャルな一人芝居ですが、意外と、自分でも気づかなかった面が垣間見え、面白いものです。

自分が求めているのは一体何なのか? どの様な環境を求めているのか? 庭は必要か? 等々。一人でふんぞり返ってみたり、暴君になったりしているのを家族に見られると、危ない雰囲気が流れますが、それもよい経験でしょう。

お薦めです

もし、皆さんが住宅を建てたいと思うことがあれば、是非、この一人芝居をお薦めします。意外にも相手(この場合は建築家)になりきると、自分の考えや要望が明確化され、整理されていくのです。思い浮かぶ一番お気に入りの建築家に依頼してみて下さい。こんなこと言いそうだなとか、打放しになっちゃうのかなとか、想像してみて下さい。

設計料のことは心配しなくて大丈夫ですし、故人の建築家であっても問題ありません。但し、この遊びの経験者として一言付け加えると、自分が実際に体験し感動した空間を設計した建築家に依頼した方が、真剣に考えてくれます。テレビで見て、容姿がよかったからという理由だけでは、あまり真剣に考えてくれないようです。

そうこうしているうちに、ご要望が固まりましたら、私にご用命いただきますと幸です。

住まいの話題[86]執筆者
■角田 充(つのだ みつる)/ EST〈一級建築士事務所エスト〉

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