私は「空間」という言葉に常に違和感と疎外感を抱いていました。しかし、今こうして思うのは、ずっと探してきたもの、必要としてきたもの、それこそが空間=建築なのだということです。
それは「在る」という感覚。そして、今あなたが「ここ」になぜいるのかということが明らかになることだと思います。更には、在ることそのものに絶対的幸福感を抱き、自ら祝福することが可能となるのです。たったそれだけのことですが、それを実感する人や場所は意外に少ないと思います。
これは特に建築に限った事はありません。実は人々が好んで訪れる名所・名景などは、こうした自分自身が在るということを祝福するような要素を多分に有しているように思います。
みなさんが住宅に求める居心地の良さは、その根底において、自分自身が在るという根元的感覚の希求に根差しているのではないでしょうか。
私はそうしたことを念頭におきながら仕事をしていきたいと考えています。