■住まいの話題[112]:居間は家族の団らんだ!
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仕切ってどうする“小さいお家”

「住宅設計や集合住宅の設計をしていて思うことは、nLDKの存在感。新聞広告を見ても、街を歩いてチラシが目に入っても、声をそろえて「nLDK/○○坪/○○万円!」。

狭い日本、一軒あたり20〜30坪が平均延べ床面積という現状であるが、部屋数が多いというのが、何故か必須条件。きっと、「子供部屋もそれぞれ必要だし、私達も大きいベッド置きたいし、そうそう、お客さんが来たら客間も必要だわ」なんて考えるうちに、希望はどんどん膨らみ、土地からはみ出てしまう。

まあ、隣の敷地を使うことは出来ないから、最大延べ床面積を希望の部屋数で仕切っていくしかない。当然、居間もキューッと小さくなってしまう。もちろん生活スタイルは千差万別で、みんな同じように暮らしているわけではないので、私の考えている事が当てはまらない方々もいる。

以前に設計した家のお施主さんは、共働き夫婦と小学4年生の男の子の3人家族。面積約65m2の3LDKから成る築12年くらいのマンションに暮らしていた。訪ねてみると、3人とても仲が良い。何をするにもLD(リビングダイニング)を使う--食事、TV、宿題、昼寝、お父さんの書斎、お母さんの家事。だから3人の荷物は書類からランドセルまで全部LDにある。おまけにお母さんは仕事カバンを椅子に置き、その椅子にお尻を半分載せて御飯を食べている。

もちろん3LDKだからリビングの他に3部屋あるはずなのだが、一つは3人川の字になって寝る部屋、二つはお母さんのクローゼットとなっている部屋、三つ目は誰も使わない寒い部屋。ああー、もったいない。はっきり言って、10畳足らずのLDが20畳になった1LDKであれば良かったのに! 

この時は、別な場所に新築だったので、リビングと書斎、更には主寝室が繋がっているプラン(LD+書斎+寝室)を提案させていただいた。(写真参照)

団らんマルチテーブルのイメージ:
テーブルは続くよどこまでも!
LD+書斎+寝室:
障子を開けるとつながります!
団らんマルチテーブルの提案

結局、みんな居間に集まっているじゃない! どんなに個人の部屋を立派に作っても、家族の音が聞こえる居間が安心できるというもの。家族の気配があった方が宿題もはかどるかもしれない。どうせみんな集まってしまうなら、家族全員が多くの時間を過ごせる広さと機能を持った空間を、始めから作っておいた方が良いかしらと思う。

そこで考えたのがマルチなテーブルのある居間。「ただ大きいテーブルがあるだけじゃない?」と言われるかもしれないが、大は小を兼ねるんです! 実はちゃーんと、ストーリーと機能があるのです。

ある家族のある日のシミュレーションはこんな具合(図参照)。冷蔵庫から食材を出す→洗う→切る→煮る→皿に盛る→食べる、といった料理の一連の動作ができるキッチンのついた大きなテーブル。このテーブルの役目はそれだけではない。食後もサポートする。お父さんはタバコを一服し、コーヒー飲んでインターネット。子供達はテレビを見たり宿題をする。お母さんは台所仕事の後、洗濯物にアイロン。

全部、そのながーい“団らんマルチテーブル”で出来てしまう。じゃあ、最後に風呂も設けたらなんて考えたが、それはちょっと行き過ぎ? もちろん、それだけ色々な事をする居間だったら、収納力もアップさせないと物であふれてしまう。そこで、壁は家族みんなの収納棚にする。

日本は土地が高いのだから、仕方がない。“仕切ってどうする小さいお家”。寝室は寝るだけだからなるべく小さく。子供部屋も出来るだけ小さく。その分、“皆が集まる居間”を大きく使いやすく、そしてこの“団らんマルチテーブル”を置いてみませんか?

住まいの話題[112]執筆者
■山村 沢子(やまむら さわこ)/ARCHI・CONNGE(アーキコング)一級建築士事務所

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