「住宅設計や集合住宅の設計をしていて思うことは、nLDKの存在感。新聞広告を見ても、街を歩いてチラシが目に入っても、声をそろえて「nLDK/○○坪/○○万円!」。
狭い日本、一軒あたり20〜30坪が平均延べ床面積という現状であるが、部屋数が多いというのが、何故か必須条件。きっと、「子供部屋もそれぞれ必要だし、私達も大きいベッド置きたいし、そうそう、お客さんが来たら客間も必要だわ」なんて考えるうちに、希望はどんどん膨らみ、土地からはみ出てしまう。
まあ、隣の敷地を使うことは出来ないから、最大延べ床面積を希望の部屋数で仕切っていくしかない。当然、居間もキューッと小さくなってしまう。もちろん生活スタイルは千差万別で、みんな同じように暮らしているわけではないので、私の考えている事が当てはまらない方々もいる。
以前に設計した家のお施主さんは、共働き夫婦と小学4年生の男の子の3人家族。面積約65m2の3LDKから成る築12年くらいのマンションに暮らしていた。訪ねてみると、3人とても仲が良い。何をするにもLD(リビングダイニング)を使う--食事、TV、宿題、昼寝、お父さんの書斎、お母さんの家事。だから3人の荷物は書類からランドセルまで全部LDにある。おまけにお母さんは仕事カバンを椅子に置き、その椅子にお尻を半分載せて御飯を食べている。
もちろん3LDKだからリビングの他に3部屋あるはずなのだが、一つは3人川の字になって寝る部屋、二つはお母さんのクローゼットとなっている部屋、三つ目は誰も使わない寒い部屋。ああー、もったいない。はっきり言って、10畳足らずのLDが20畳になった1LDKであれば良かったのに!
この時は、別な場所に新築だったので、リビングと書斎、更には主寝室が繋がっているプラン(LD+書斎+寝室)を提案させていただいた。(写真参照)