■住まいの話題[132]:設計事務所をうまく使おう
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あなたは家を建てることを思いたちました。少し狭いけれど陽当たりの良い土地も見つかりました。次は家を建てるための行動です。さあ、あなたは何から手をつけますか。
最初にすることは・・・

まずは「住宅雑誌」あるいは専門家向けの「建築雑誌」を購入して、活字と写真から、と考える人がいるでしょう。また、住宅展示場に行って、そこに建つ実物を自分の目と手で確かめようとする人もいるでしょう。さらには、パソコンを使って家づくり関係のインターネットサイトを訪ね、必要な情報を入手する人もいるかもしれません。

でも、設計事務所に足を運ぼうという人が少ないのは何故でしょうか。予算が少ないとか、こんな狭い敷地では相手にしてくれないだろうなどと、気おくれしてしまうのでしょうか。ですが、そんな不利な要素が多いときこそ、ぜひ設計事務所に相談してほしいのです。

条件が厳しい時こそ本領を発揮

敷地が広い申し分のない閑静な住宅地に、潤沢な予算で一戸建てをつくる。こんな好条件なら、誰が設計してもそこそこの家は出来上がります。でも今の都市環境にあっては、敷地にしても予算にしてもこれほど良い条件が揃うことはまずあり得ないはずです。敷地条件一つとっても、狭い、変形している、高低差がある、あるいは法規制が厳しいなど現状は様々です。

ところが、敷地状況や低予算工事費などの不利な条件で、施主の希望を叶えつつ、いかに素晴らしい住宅にまとめあげるかに生き甲斐を感じている設計者も数多くいるのです。家づくりに対するそんな彼らの熱意を上手に利用しない手はありません。大いに活用すべきなのです。

外観デザインは敷地の特性を生かすことが大事
囲炉裏風の暖炉はホームパーティの主役となる。
相談をどう進めるか

家を建てるに当たって、あなたには様々な希望や思い入れがあることでしょう。それら全てを設計者にぶつけてみることです。その際一つだけ気をつけてほしいことがあります。希望や思い入れは必ず言葉かあるいは文章で示すことです。望みや好みのイメージを写真などで伝えるのは構いませんが、プランを左右するような絵やスケッチは出来る限り避けることです。

設計者はプロです。あなたは彼の創作力を買うのですから、その能力を充分に出してもらわないと損をしてしまいます。もしあなたが作ったスケッチを渡された設計者が、スケッチに示された枠の中だけでしか基本案を作らないようでしたら、その設計者には「さようなら」を言いましょう。自信のある設計者ならば、あなたから渡された絵を机の片隅に捨て置くはずです。それは意地悪をしているわけでも傲慢だからでもありません。そのほうが良い家ができると知っているからです。

予算配分をアドバイス

工事予算が充分にあって希望が何でも叶う住宅なんてあり得ません。工務店や住宅メーカーならばお金を出せば、ほぼ願い通りの仕様・仕上げにしてくれるかもしれません。でも設計事務所では、建物の特性や持ち味を考慮してお金のかけ方をアドバイスしてくれます。もちろん、あなたの価値観も加味した上でそれを行います。

例えば、他は質素でもいいからどうしても暖炉が欲しい、値段の安いものでいいから本物の木を使いたい、あるいは寝室に空の見えるトップライトを設けたいなどの希望があれば、はっきりと述べましょう。建て主から「限られた予算の中ですが、これだけは長年の夢なんです」などと言われると、設計者は喜び勇んでしまいます。なんとか、実現してあげようと努力します。

予算の振り向け方、そのバランスのとり方をアドバイスして、仕様・仕上げを決めるのも設計事務所の大きな仕事です。このように、設計事務所はいろいろなかたちで施主をサポートしていきます。気に入った設計事務所と上手に付き合うことで希望の家を手に入れてください。まずは臆せず、設計事務所を訪ねてみることから始めてはいかがでしょうか。

住まいの話題[132]執筆者
■河野 正(こうの ただし)/ (有)設計工作舎

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