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| 組積造は建築の原点 |
コンクリートブロックは英語で“Concrete Masonry Unit”。直訳すると“コンクリート組積ユニット“となります。コンクリートブロック構造は、文字通りコンクリートブロックユニットの組積構造で、立派な組積造です。日本における現在の耐震基準に合う組積造は、このコンクリートブロック構造だけです。通常のレンガ造や石造も、中身の構造はコンクリートや鉄骨でつくり、その上にレンガや石を張り付けただけです。
コンクリートブロック構造はブロックを積み上げていく途中に鉄筋を入れ、最後にコンクリートを流し込んで仕上げる構法です。ですから、組積造とコンクリートの壁構造を合せた様なものです。建築の設計を目指す者にとって、組積造は畏敬すべき対象で、鉄骨造やコンクリート造などと違い、建築の原点に位置する構造です。 |
| 設計者泣かせのブロック |
コンクリートや鉄骨による近代建築は巷にいやという程あっても、本当の組積造は地震国日本ではなかなかお目にかかれません。やはり、組積造ではデザインに限りがあると思われているからでしょうか。建築雑誌を見ても、組積造の建物は年に1件あるかないかです。時代に取り残された構造なのかもしれません。
壁面を必要以上にとったり、開口部の制限があったり、臥梁を設けたりなど、コンクリートブロック構造は、はっきりいって設計者泣かせの面倒くさい構造です。それでも私がコンクリートブロックに固執しているのは、ブロックにはその制約から生まれる変な緊張感があって、それに惹かれるからです。 |
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| コンクリートブロック構造の住宅:外観 |
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| コンクリートブロック構造の住宅:内観 |
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ブロックはコンクリートの打放し程ハードな表面ではないし、どちらかと言えばザラザラの表面で、200mm x 400mmの目地が縦横に入っているので、人によっては目障りな素材と映っているのかもしれません。ところが、そんな単なるコンクリートブロックでもきちんと積み上げていくと、組積造の重量感が出てくるから不思議です。重量感は安心感にもつながりますので、住宅の設計では重要な要素となるのです。 |
| 単価の安いブロック |
写真に示したのは、群馬県の高崎に近い上州のからっ風の通り路にあたる田園地帯に建つ、将来2世帯になっても対応できる2階建て住宅です。コンクリートブロック構造ですから、地下ピット部を地下室に転用してもいいし、2m以上もある2階天井裏スペースを収納部分にするなど、躯体をいじらず簡単に増改築ができます。また、コンクリート打放しの構造と同様、構造体がそのまま仕上材となっているので、室内もシンプルな構成にできます。
ブロック自体は安い建設材料なので、増改築を容易にするためスペースに余裕を持たせても、コストとしては建物全体にかかる費用の数パーセントにすぎません。この家では、からっ風を防ぐ意味と強度を高めるために、南側の採光面を除き、壁面を多めにとっています。通常、ブロックによる大壁面は単調になりがちなので、ここでは屋根を受けるブロックの柱で変化をつけています。 |
| ブロックはシンプルライフに適する |
シンプルな生活を望むならブロック造はちょっといいかもしれません。すぐに必要でない家具や雑物は、単価の安いブロックで作るのでスペースに余裕をもたせた地下スペースや天井裏に突っ込んでおけば、日常生活するエリアにはほとんど何もいらなくて済みます。
この住宅では、ブロックの存在感が家具や生活用品を圧迫してしまうせいか、不要品を身の廻りに置くのをためらってか、はたまた設計者の意図を理解して頂いたのか、何年たっても、居間は竣工時と同じ状態ですっきりしています。どうですか、コンクリートブロック構造はシンプルライフに適しているとは思いませんか? |
住まいの話題[136]執筆者
■藤井 稔(ふじい みのる)/ 藤井建築工房 |