■住まいの話題[137]:収納のデザインあれこれ
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収納をなるべく沢山! という要望をよく耳にします。収納は押入やクローゼットだけだと思っていませんか?

この問いかけは、きっと最近の目の肥えた方々には失礼でしたね。いろいろやり方があるのは御存じと思います。その中で代表的なものを私なりにピックアップして少々補足ができれば面白いかな、と思います。

壁面収納

設計手法としてよく目にするのが収納自体をデザインのキーにしてしまうものです。それこそ、最近では家全体が収納で出来ている、なんて家も結構見るようになりました。

その中で、壁面収納という方法は、壁面全体に収納を設けて、あたかも壁のごとく見せてしまうものです。デザイン的にも綺麗に出来ることが多いです。ですが、気をつけなければいけないのは、壁面収納にしたからといって収納に使われる平面的な面積は変わらない、ということです。特に狭い家の場合は壁面収納にすれば面積が広くとれる、と思いがちですが、そうではありません。壁面に収納をまとめているだけであって、量や面積の話は別の問題と考える必要があります。

壁面収納とは、そういう意味ではデザインであり、「収納する」という行為を壁面にまとめて、シンプルにスッキリさせたものなのです。それを家自体の個性にすることも可能です。

壁面収納:
白い収納には、クローゼット、物入れ、
パソコンデスク、シネマスクリーンなどが
組み込まれている。
オープン棚の間仕切り収納:
しらかば合板で出来ており、
プリズム模様のポリカーボネート板の
裏板がついている。
間仕切り収納

大きな収納を間仕切りに使うという手法もあります。普通は壁で部屋の仕切りをするのですが、そこを収納とすることで両面から使えるメリットがあります。また、その収納自体を半透明な素材を使って作ったりすれば、壁の圧迫感がなくなったり、光が透過したりして、良い室内環境を作ってくれることもあります。廊下とリビングの間仕切りをそのようにした場合、暗くなりがちな廊下にリビングの向こう側から光が差し込んだり、人の気配が伝わったりします。

アイランド収納

アイランドキッチンは、キッチンの形として認知されていますが、収納の形としてみることも出来ます。アイランド、つまり島のようにキッチンを配置するので、当然、空間の中央にどっかり、テーブルのようなものが出来るわけです。とっても邪魔に思えますが、それはキッチンであり、ダイニングなのですから、勿論、空間の中心にあって良いときもあります。

そうして、アイランドキッチンを採用した場合には、キッチンの周りのテーブル下に収納を配置することが出来ます。奥行きはそんなにとれませんが、CD入れや文具のための引き出しがとれたりして、ダイニングが単なる食事の場所から、皆の集まる場所に変化します。

収納をキーにした空間づくり

上記の3つは、代表的な例ですが、他にもいろいろやり方があるでしょう。収納は量が必要ですが、やり方次第では、いろんな空間がそれをキーにして出来ることも見逃せないことなのです。壁面収納の例で分かりやすいように、基本的にはある面積を(厳密には、ある容積を)収納が満たしてしまうことは変わらないのですから、当然、量を増やせば残りの空間自体は減っていきます。そのことを理解した上で、収納が空間をどう埋めていくのか、ということこそが重要なのです。繰り返しになりますが、それは、空間自体のデザインなのです。

住まいの話題[137]執筆者
■八木 敦司(やぎ あつし)/スペースデザイングループワイエイチディー

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