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今まで生きてきた自分があって、これからも自分は生きて行く。家を建てることは、過去から未来につながっている人生の線上にある一つの通過点です。ごくごく自然な流れの中にある出来事のひとつです。
新しい家を建てたら、自分も変身して別人になっていた、なんてことはありえないですよね。家を建てる前も建てた後も、そこに住んで生きていくのは、間違いなく自分自身。だから、よーく、自分を見つめてみてください。自分を知ることが、どんな家を建てるかを考える第一歩です。
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| 年表を描いてみたら、自分(家族)が見えてくる。 |
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とかく、家を建てる時には、その時の自分(家族)の状態しか頭に浮かばないものです。その時の自分(家族)の欲求を満足させる事で精一杯。でも、ちょっと考えて、想像してみましょう。間違い無くそれから先、時間は経っていって、5年先、10年先、15年先、20年先、25年先の自分(家族)は存在するのです。
そこで、想像する作業を手伝ってくれるのが、年表を描くということ。家を建てる時から始まる年表を描いてみると、いろいろな事が、ちょっと具体的に見えてきます。自分も家族も同じスピードで年をとって、そして成長する、そして衰えていく。家族の人数や構成も変わっていく。敷地の廻りの環境も変わっていく、などなど。
まだまだこれからと思っていた自分も10年後には中年真只中! いつまでも一緒と思っていた子供達もいつかは独立して出て行っちゃう。気付いたら夫婦ふたりきり。2世帯住宅ならば、親もいつかは・・・。人の数が減ったらなぜか犬や猫が増えちゃった、とか。
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| たとえば、こんなふうに年表を作って、書き込んでみると・・・ |
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そんなことを想像してみると、これから自分が建てようとする家の姿や様子、その中での自分や家族の様子が、ちょっと具体的に見えてくるでしょ?
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| お財布の中身の使い方。 |
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家を建てる時、頭を悩ます大きな条件のひとつ、それは建築予算ですよね。
自分の予算の範囲で、どんな家が造れるのか。どこまで希望が叶えられるのか。具体的には、なかなか想像できるものではありませんよね。そのお手伝いをするのが建築家なのですが、でも、自分で出来ることがあります。それは、何が自分(家族)にとって、大事なことなのかを考え、その大事なこと(家族が多ければ、その分たくさんあるでしょう)を、よく考えて、整理をすることです。そして、それを建築家に伝えることで、おのずと予算の使い方が見えてきます。
食事の材料をスーパーマーケットで揃える時に、何を考えていますか? お財布の中身と相談しながら、その日の食事が、自分や家族の心と体を豊かにするように、献立を考え、そして栄養、好みなどを考えて、バランス良く、食材を選ぶ。毎日の習慣の中で、自分のお財布の中身の範囲で、自然に無理なくバランスを考えて、お買い物をしていますよね。
家づくりも同じです。設計は、献立を考えること。建築材料の選定は、食材選び。建築の工法や造り方を考える事は、効率良く効果的に調理方法を考えること。肝心なのは、それらをバランスよく考えて、予算の中で収めること。お財布の中味(建築予算)と相談しながら、何のために何にお金を使うかをバランスよく考える。造った家が、自分(家族)の心と体を豊かにして、よりよい生活を送るために。
年表描いたり、お財布の中味を確かめたりすると、現実を突き付けられて、ちょっとブルーになっちゃうかもしれないけれど、それもこれも楽しんじゃいましょう。
よーく、考えて、想像して、家づくりを楽しみましょう!
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住まいの話題[171]執筆者
■小森 美和子(こもり みわこ)/ 小森建築設計室 |