■住まいの話題[174]:お勧めの床材
画像をクリックすると大きなサイズで見ることができます。

分厚い見本帳を見比べながら仕上げを決めることは楽しくもあり、悩ましくもあります。あなたは何に重きをおいて決めますか。耐久性やメンテナンスのしやすさ、デザインなど基準はいろいろです。住まいは心や体がやすらぐ場であると考えますので「やすらぎ」「安全」「暖かさ」を最低必要条件にしアドバイス、選択しています。

F☆☆☆☆で安心?

化学物質による室内環境汚染(いわゆるシックハウス症)が問題になり、建材メーカーでは国の基準で、一番ホルムアルデヒドの少ないF☆☆☆☆を満たした各種建材を揃えています。また、メーカー住宅のパンフレットにはそれらの材料を使い安全と謳っていますが安心できるのでしょうか。F☆☆☆☆でもホルムアルデヒドを含む化学物質が少ないと言いながらも出ており、気温の上がる夏場はその量が増えます。また、建築基準法では今のところホルムアルデヒドと防蟻剤に使われるクロロピリホス以外の有害物質は規制されていません。

ある調査では室内の空気汚染源から受ける影響は天井や壁に比べ床から受ける影響が一番大きく、立った状態で53%、寝た状態で73%との結果が出ています(東京大学生産技術研究所加藤伸介「汚染寄与率CRP2の影響」)。床に近い場所で暮らす幼児や高齢者に及ぼす影響は少なくないでしょう。少なくとも床材については自然素材、フローリングであれば合板ではなく無垢の木を使いたいものです。無垢材といっても輸入材を含め防虫などの薬剤処理しているものがありますので、気をつけなければなりません。

硬いフローリングと柔らかいフローリング

イスやソファのライフスタイルにマッチしたフローリングが、リフォームや新築を問わず使われ、傷が付きにくい広葉樹系の硬いフローリングが多く選ばれています。でも、もう一度自分たちの暮らしぶりを見直してみませんか。一日中ソファやイスで過ごしていますか。床に座ったり寝そべったりしてくつろいでいませんか。

針葉樹系の柔らかいフローリングとタタミの広間
床と腰壁がコルクタイル、壁と天井が板張りの浴室

私の家にもソファがありますがそこでうたた寝をしてしまう以外は、床の上で過ごすことが多いです。そんな暮らしには杉や桧など針葉樹系の柔らかいフローリングが合います。確かに傷は付きやすいですがいつまでも木の香りがし、時間が経つにつれ濃い色に変わる自然の味わいがあります。3cm以上の厚い無垢材はより柔らか味を感じ、床暖房がなくても過ごせる暖か味があり、冬場にカーペットを敷く必要がなくバリアフリーにもなります。

タタミを見直しませんか

生活スタイルの変化で和室が少なくなり、それに伴いタタミも減少しています。特に若い世代ではフローリングだけの家も多いと思います。ごろっと寝そべるにはタタミが一番です。同じ姿勢でも体が痛くならない柔らかさ、汗をかいてもベタツキが少ない「い草」の香りなど多くの利点があります。壁際を板張りにすれば家具などの跡を気にする必要はありません。ダニが気になりますが藁だけで作る畳床を熱風乾燥処理すると死滅します。また、畳を置く下地を無垢材でつくり、通風を確保すれば防虫シートがなくても出にくくなります。着色していない国産の「い草」で作った畳表は外国産より痛みが少なく長持ちします。

浴室にはコルクタイルがお勧め
私が設計する浴室は特に要望がない限り床と腰壁にコルクタイルを使い、壁と天井は板張りにします。板張りと聞くとメンテナンスが掛かると思われますが、一晩換気扇を動かせば腐ることもなく、木の持つ効果でカビが出ることも少なく、かえってメンテナンスが楽になります。また、将来手スリを何所にでも付けることができ安心です。床のコルクタイルは浴室専用に作られたもので吸水率は低く、長く使えます。色は一種類だけですが冷たくなく冬場でもお尻をつけることができ、好評です。
住まいの話題[174]執筆者
■中安 博司(なかやす ひろし)/ 建築工房 N設計

旭硝子株式会社
お役立ちリンク  資料請求  お問い合わせ  サイトマップ  ご利用環境  サイトポリシー  品質への取り組み
(C) copyright 2001-2005 旭硝子株式会社 All right reserved.