■住まいの話題[176]:サステイナブル住宅をつくろう
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無垢の木や珪藻土、和紙などの自然素材を使い、同時に太陽や雨といった自然エネルギーを利用し、資源の循環に配慮をした「サステイナブル」という考え方を大切に住宅を設計してきて16年になります。

昨年は東京都練馬区に、太陽の熱で温水をつくり、雨水をタンクに貯めてトイレの流し水に利用する住宅も完成しました。建築主のKさんは以前から環境問題に関心があって、住宅の建てかえにあたり、できるだけリサイクルできる素材や土に還る素材、太陽や雨を利用した住まいを希望されました。最近ではKさんのような建築主が増えており、とても嬉しく思っています。

サステイナブルとは?

サステイナブルというまだ耳慣れないかも知れないこの言葉は、実はこれからの社会や暮らしの大切なキーワードになる重要な言葉なのです。これは、私達の暮らしているこの地球は過去からの遺産として今ここにあるのではなく、私達の未来の子孫たちから借りているもの。だから私たちは、この地球という惑星の環境をできるだけ壊さないで、未来の私達の子孫に還さなければならないという「持続する社会」を意味する言葉なのです。

21世紀という節目を迎えた今、私達はサステイナブルという考え方を共通の認識として持つ必要があります。それはどこかの国とか大きな企業とかだけが考える問題ではなく、レベルの違いこそあれ、個人個人の仕事や暮らしの中でこそ、考えて行かなければならない問題でもあるのです。

サステイナブルへの取組はちょっとした工夫で可能です。そうした住宅の例を二つ、簡単に紹介しましょう。写真1に示す例は、狭山市に建つN-HOUSEです。屋根に乗っているのは貯湯式ソーラーシステムで、約430リットルのお湯を貯めることができます。裏の雑木林を借景にして、塀をつくらず、街にオープンに開いている住宅です。

写真1:N-HOUSE
写真2:T-HOUSE

写真2に示す例は、府中市のT-HOUSEです。既存のブロック塀を低くカットして珪藻土を塗り、外壁の一部はカナダ杉張り。昔の醤油たるに雨水を貯めて、庭の散水に利用しています。

26年で解体?
住まいに関することでいえば、小はゴミの問題、アルミ缶や古新聞のリサイクル、生ゴミのコンポスト化から、大は住宅産業を支える南洋材の伐採による森林破壊の問題まで、考えなければならないことがたくさんあります。今まで暮らしていた古い家を取り壊して新しく作るというときには、大量の産業廃棄物がでます。東京の産業廃棄物はその近県の緑の山を壊して作られた処分場に運ばれています。その処分場もいまのままの廃棄が続けば、2010年には満杯になってしまいます。

日本の住宅の建て替えサイクルは26年という統計がありますが、このような状況の中で、私たちが今つくる家が26年で解体されるのであれば、私たちは26年後の捨て場のない粗大ゴミを作っているということになってしまいます。
長持ちする住まいとは?

大切な木材資源を使って作る住まいですから、次の代まで使えるようにつくらなければなりません。それは、構造的に丈夫という意味だけではなく、住み手が愛着をもって大切にして、長い間愛していける住まいでなければならないと思います。

そして、家族の変化に柔軟に対応できる住まいであること、設備を簡単に更新できるような配慮、太陽や雨、風といった自然のエネルギーの有効利用、土に還る自然素材をできるだけ使うことを大切にしたいと考えています。

子孫たちに、安心して暮らせる地球環境を残してあげるためのサステイナブル住まい。個人の小さな力であっても、ほんのすこし地球を健康にすることはできるのです。

住まいの話題[176]執筆者
■栗原 守(くりはら まもる)/ (有)光設計

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