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| 「窓はどんな感じになりますか?」 |
これから住宅を建てようとされている建て主の方とお話をしていると、かなり早いうち、多くの場合は初めてお会いしたときに聞かれる質問です。
ところで、建築家の設計の進め方はひとそれぞれ、いろんなタイプがあると思います。
私の場合は建て主との話し合いの内容や敷地の条件を考慮に入れた上で、あれがいいかなぁ、いやこっちの方がいいかも、などとできるだけ多くの可能性を検討していくうちに案が次第にまとまっていくということがほとんどで、建て主にもどんどん案を見せて、どしどし意見を言ってもらうのが好きです。
ですから、会っていきなり聞かれても気の利いた答ができないことが多いのですが、皆さん、住宅の窓がどうなるかにはかなり関心をお持ちのようです。これは当然だと思います。住宅に限らず建築物にとって、窓などの開口部のありかたは外からも内からもその表情を大きく左右するのですから。
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| 窓はどんなふうにはたらくか? |
ここであらためて言うまでもなく、開口部には視覚的印象を左右する以外にも多くのはたらきがあります。ただそのはたらきには様々な条件が関係してきます。
冬暖かい日差しを採り入れ、外の景色を眺めるためのガラス窓も、設置する場所を間違えると、外から覗かれたり、見たくもないものを見る羽目になります。最近増えてきた住宅番組でも「いやぁ大きな開口部が気持ちいいですねぇ」(って隣の洗濯物しか見えてないでしょうが…)といった場面が時々見られます。どこまでも絶景の広がる別荘地ならともかく、建てこんだ住宅街ではその先に何が見えるかに対する十分な配慮が必要でしょう。
ただ漫然と目の高さに窓を設けても見たいものだけ見えることは稀です。道路に沿って遠くまで視界が開ける向きにあけられた窓、家のなかから外の様子は分かるけど外からは覗かれない小さな窓、お風呂の前の坪庭に面した窓、あるいは空しか見えないハイサイドライト、というようにねらいを定めて窓を設けることが有効だと考えています。
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| 遠くをのぞむコーナー窓とハイサイドライト |
窓を開け放って露天風呂気分 |
また、開ければ気持ちの良い風が入ってくる窓からはそのままでは夏になると虫も入ってきます。そのために網戸があるわけですが、これは外を眺めたいときにはやはり邪魔なものです。この条件をクリアするために折畳みタイプなどの収納可能な網戸が使用されるようになってきました。
たとえば、目の前に広がる自然林。浴室の窓は閉めたままでもピクチュアウインドウとして十分この景色を楽しむことができますが、せっかくだから居ながらにして露天風呂気分も味わいたい。そんなときには既製品のアルミサッシュに少し手を加えることで全て開放できるようになりますし、普段は目障りな網戸も必要なときだけ引出して使うことができます。
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| 窓について考えること |
おそらく最も一般的なのは引き違い窓でしょう。採光と通風をひとつでまかなえるのは便利ですが、開け閉めで動かすために枠が大きく、目の前には網戸があり、さらに開閉のため手が届くところに設置しようとすると、上に書いたような問題が生じることもあります。そこで、人の出入りが必要ないとなれば、採光と通風の役割を別の窓に振分けてはどうでしょう。採光には外の見え方も考慮に入れて高い位置に嵌め殺し(FIX)窓。網戸は不要です。通風には内からも外からも視線が気にならない足元に小さな開閉できる窓。
こうして、はたらきを分けてやると随分すっきりすると思いますが、いかがでしょうか。 |
住まいの話題[217]執筆者
■北川 裕記(きたがわ ひろき)/ 北川裕記建築設計 一級建築士事務所 |