| 画像をクリックすると大きなサイズで見ることができます。 |
あなたが家を建てたいと思ったとき、予算や性能のこと、家族構成からくる間取りや、法規上の制約など、様々な悩ましい問題に直面することと思います。でも、いろいろと制約にとらわれる余り、何となくどこにでもあるような普通の家になってしまったのでは、元も子もありません。
せっかく建てる我が家のために、始めに大きなタイトルをつけてみるのも一つの手ではないかと思います。ここでは、一頃話題になった動物占いになぞらえて、3つの例をご紹介します。
|
| モグラ型 |
幼少時にドラえもんのように押入に基地を作った経験のある方、穴場に入り込むことが好きな方、そんなあなたにはモグラ型をおすすめします。あえて小さなコーナーを好んで潜り込み、飽きたらまた別の穴に潜り込み、こっちから入ってあっちから出て、また他の場所にも繋がっている、そんな空間体験をイメージして下さい。
キーワードは「迷路のような連続感」と「窪み」。素材感と壁厚感を求めて構造はコンクリートや土にしたり、メインの階段とサブ(オマケ)の階段を作ったり、廊下に一休みするための小さな窪み(ニッチ)を設けたり、動線や部屋を立体的に絡ませることで、思わぬ所から人が顔を出す。そんな空間を楽しみましょう。
|
| キリン型 |
| オフィスやデパートのエレベータで、とりあえず最上階に行ってしまう方はキリン型かもしれません。眼下に広がる街並みを見下ろすと、自分が大きな空に浮いているような無重力感を感じ、清々しく飄々と思えます。「高い所好き」の一つの要因は「身軽な浮遊感」ではないでしょうか。
|
|
|
|
| 自分を軽くするキリン、自分を掘り進むモグラ |
自分をひろげるクジラ |
| キーワードは「一点タワー主義」。家一軒丸ごと高いところにあるのもよいですが、それだと「身軽な感じ」がなかなか出ません。ということで、一部屋だけ持ち上げましょう。書斎でもいいし、お茶する部屋でもよいし、お風呂でも構わない。生活の基本機能を地面に確保しつつ、+αの贅沢感を付加する。そんな楽しみ方ができるとよいでしょう。 |
| クジラ型 |
「クジラに呑まれたピノキオとお爺さんの再会シーン」を思い出してください。あの大きなあばら骨の大空間・大架構型といいましょうか、一つの屋根に包まれた感じです。そんな大空間はできないとしても、屋根構造を見上げる包容感がいろんな物を許容してくれます。
人が住むには、諸々の雑務をこなす機能や雑貨が必要ですが、「森羅万象、共存している」とも思える世界感を、大きな屋根が演出してくれます。また、包容感というよりかなりの「包まれ好き」の方の場合は、この屋根の下で、更にテントを張ってお休み下さい。
これらの例は、あくまでイメージの連想ゲームですが、設計を行っている立場からすると、そんなたわいもないイメージの中にこそ、その人なりにあった設計を行う上での近道が隠されているのではないかと考えるのです。
ここで紹介した動物以外にも、映画や楽曲のタイトルであったり、乗り物であったり、人物に例えてみるのもおもしろいかもしれません。あなたも一度、我が家を建てるとしたらどんなタイトルをつけるか考えてみてはいかがでしょうか。
いかがです、お楽しみいただけたでしょうか。あなたの家のタイトルもぜひ聞かせてください。 。 |
住まいの話題[222]執筆者
■谷口 智子(たにぐち ともこ)/ t-products建築設計事務所 |