| 東京都世田谷区の住宅地に建つ3層の住宅。間口5mの南北に細長い敷地は、両側に隣家が近接した典型的な「うなぎの寝床」。都市部に多いこの種の敷地はいかに読み解くかが大きな課題となる。施主は「狭い敷地なので小さいながらもその小ささにこだわった家」を望んだ。30代の母親と3才の息子の二人で暮らすこの家に対して、設計者が提案したのは、解放性がありながら外部からの安全性を重視することであった。「閉じつつも開く」という一見矛盾するこの考え方は、中庭であり、子供の遊び場であり、そして玄関でもある1層目のアプローチ空間に見事に表現されている。その大きな特徴はこの空間の隣地側に配置した「光と風の壁」である。サンドブラストガラスとフラットバーで構成された壁は隣家に対する目隠し塀を兼ね、フラットバーの隙間からやさしく風を取り入れると同時に、夜はガラスを通してやさしい光を周囲に発散させる装置となる。外部から閉ざされた感のあるこの空間は、しかし、大きなガラス面とテラスを介して内部と一体化される。「シンプルで温かみのある健康的な白っぽい室内」を希望する施主のために、白色珪藻土仕上げの内部空間は、室内扉を開け放すと各階がワンルームの雰囲気になるよう工夫されている。
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