品川ビル再生計画
設計:神本豊秋建築設計事務所文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)

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建設後に用途地域が変更されたため、既存不適格となったビルの再生計画。過剰床面積を共用部に変えるなどして改修コストを抑えた地域貢献型施設(キッズ・ステーション)。
神本豊秋氏が手掛けているのは築45年以上のビルの再生計画だ。対象となるのはある企業が自社ビルとして所有・使用していた地下1階地上5階建て延べ床面積約2000㎡のRC造のビルで、私鉄駅からも商店街からも近い住宅街の中にある。偏心コアタイプのビルであり、南側の道路面の階段室と対極側にある屋外階段の2つの直通階段が設けられている。
新築以上の価値を生み出せる可能性がある既存建物。再生には法的処理が必要だが、解決策はかならずある。そのメリットを生かしながら有効活用する手法の開発が求められる。
避難階段ではなくなった道路に面した階段室を巨大なジャングルジムに見立てた垂直庭園とし、外部に直接アプローチできるようにする。ただキッズルームが児童福祉施設に該当する施設になった場合は屋内に階段を設置する方針である。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
品川ビル再生計画
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所在地: | 東京都品川区 |
発注主: | ディベロッパー |
用途: | 保育所/事務所/倉庫 |
設計: | 神本豊秋建築設計事務所 |
再生コンサルタント: | 再生建築研究所 |
施工: | 未定 |
階数: | 地上5階 地下1階建て |
構造: | 鉄筋コンクリート造 |
建築面積: | 約400㎡ |
延べ床面積: | 約2,000㎡ |
工事予定期間: | 2016年4月~ |

神本 豊秋 (かみもと とよあき)
1981 大分県生まれ
2004 近畿大学 九州工学部建築学科 卒業
2004 -12 青木茂建築工房 勤務
2012 - 神本豊秋建築設計事務所 設立
2012 - 東京大学 生産技術研究所 川添研究室 特任研究員
2015 - 再生建築研究所 設立
http://kamimoto-arch.com