福智町立図書館・歴史資料館
設計:大西麻貴+百田有希/o+h文:中崎隆司(建築ジャーナリスト)
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「町民が待ち望むような公共建築」、「開かれたパブリック空間」をめざしたという福岡県福智町の図書館o歴史資料館は、まちの未来を考えるプロジェクトでもある。
大西麻貴氏と百田有希氏が手掛けているのは図書館と歴史資料館からなる複合施設だ。2015年3月に福岡県福智町が実施したプロポーザルコンペで設計者に選ばれた。設計チームにはアートディレクターの原田祐馬氏や編集者の多田智美氏も参加している。
「設計している間に人と人をつなぐきっかけをつくりたい。人と人が出会う、時代を超えて本と人が出会う。本をきっかけに様々な出会いが起こりうる場所にしたい。なじみのない人にも行きたくなる開かれた図書館・歴史資料館にしていく。まちの未来を考えるプロジェクトにしたい」(大西氏)。
「公共施設を待ち望むような状況をつくりたい。そのために中学生と ワークショップをし、農家や子育て世帯の母親など地元の人に対するヒアリングを行った。そのような手順を踏むことで待ち望む状況も変わるし、使い倒していく状況も生まれてくるのではないかと考えている」(百田氏)。
様々な機能がもり込まれ、にぎやかな場所と静かな場所が共存する。つまり、多様な居場所がある図書館o歴史資料館は、町民が連携して町を変えていく拠点になる可能性がある。
コンバージョンのプロジェクトであり、17年前に建てられ、現在は支所として使われている旧赤池町庁舎を使う。RC2階建てで延べ床面積は約3000㎡という規模だ。周辺は住宅街だが、庁舎があったことから商工会や公民館など公共施設が集まっているエリアである。
2階は1階の大きな広場と対比的な小さな居場所をつくっていく。書棚が並ぶ空間につながるテラスやラウンジ、グループ学習室などを配置する。
また1、2階ともに特徴的な窓辺をつくっている。
中崎 隆司(なかさき たかし)
建築ジャーナリスト・生活環境プロデューサー。1952年福岡県生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。生活環境の成熟化をテーマに都市と建築を対象にした取材・執筆、ならびに展覧会、フォーラム、研究会、商品開発などの企画をしている。著書に『建築の幸せ』『ゆるやかにつながる社会-建築家31人にみる新しい空間の様相―』『なぜ無責任な建築と都市をつくる社会が続くのか』『半径一時間以内のまち作事』などがある。
福智町立図書館・歴史資料館
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所在地: | 福岡県福智町 |
用途: | 図書館/歴史資料館 |
設計: | 大西麻貴+百田有希/o+h |
建築面積: | 1792.90㎡ |
延べ床面積: | 3019.91㎡ |
階数: | 2階 |
主体構造: | RC造 |
工事予定期間: | 2016年4月~12月 |
大西 麻貴 (おおにし まき)
1983 愛知県生まれ
2006 京都大学工学部建築学科卒業
2008 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了
2008 -大西麻貴+百田有希 / o+h共同主宰
百田 有希 (ひゃくだ ゆうき)
1982 兵庫県生まれ
2006 京都大学工学部建築学科卒業
2008 同大学大学院修士課程修了
2008 - 大西麻貴+百田有希 / o+h 共同主宰
2009-14 伊東豊雄建築設計事務所勤務