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金沢21世紀美術館建設事務局インタビュー Close
   
『設計図を汲みながらも、安全性、機能性の確保に妥協はしていません。』 GLASS&ARCHITECTURE Design Files
interview:林 義信[金沢市21世紀美術館建設事務局総務課担当]
美術館が建設されるまでの経緯を教えていただけますか。

林―この美術館は市役所隣の、金沢大学付属小中学校跡地に建てられたものです。市が跡地を取得して文化交流施設の構想がもちあがり、いまの美術館建設に至ります。2003年の県庁移転でこのあたりの商店街は一時的に活気を失うところもでてきました。この施設と一緒に新しい街づくりをしていこうと、地元の意識も高まっています。設計者はプロポーザル方式で選出されました。

金沢市民にこの建物はどのように受け入れられてゆくでしょうか?

林―この建物は金沢市民にとってとても新鮮なものになっています。妹島氏+西沢氏の建築は白い壁、一面のガラス壁などとてもミニマルでシンプル。金沢市内にはこのような建物は他にありません。若者にはすぐに人気の場所になるでしょう。たとえば、市民の中にはこれで美術館か?といぶかしがるひとも出てくるかもしれません。しかし、金沢は伝統的なものを大切にしてきましたが、一方でどの時代も新しいものを吸収してきたのです。伝統的なものと新しいものが互いに刺激しあいながら発展するというかたちをとってきた。伝統を磨く上ではそれが重要。そういった意味で、現代美術のプログラムとこの新しい建物は金沢の文化にとってぜひ必要なものだと思います。

この建物は設計者と金沢市建設事務局、施工会社の共同作業で建設が進められていきましたね。

林―基本的に、設計者の基本設計図をうけて、実施のための図面をつくっていくのが我々と施工会社の作業となります。今回特に設計者は寸法にこだわっていました。細い、薄い部分はそのサイズをより小さくする要望が出されます。それを受けて、安全性、耐久性の検討を繰り返し、施工を進めてきました。金沢は多雪地域。当たり前の話ですが、たとえば雨漏りは絶対発生しないよう納めています。設計意図を汲みながらも、安全性、機能性の確保に妥協はしていません。そのための施工に数々の工夫が凝らされてきました。
外周から見る情報ラウンジ、デザインギャラリー。
外周から見る情報ラウンジ、デザインギャラリー。
ホワイエ2のガラスのエレベータ。ケージは地階から油圧で昇降される。
ホワイエ2のガラスのエレベータ。ケージは地階から油圧で昇降される。
光庭1から本多通り方向を見る。外部に視線が通る。
光庭1から本多通り方向を見る。外部に視線が通る。
光庭3のガラスのコリドー。光庭だけでなく、常設展示作品『緑の橋』の下も潜り抜ける。(作品:"Green Bridge", 2004, Patrick Blanc)
光庭3のガラスのコリドー。光庭だけでなく、常設展示作品『緑の橋』の下も潜り抜ける。
(作品:"Green Bridge", 2004, Patrick Blanc)