大林組技術研究所本館 テクノステーション 概略 Close
 
大林組技術研究所のエントランスから見た、本館テクノステーションと守衛所。
 

東京・清瀬に50年近く拠点を置く、大林組技術研究所。2010年秋に完成した「本館 テクノステーション」はその研究機能の中枢を大きく再編する形で誕生した。テーマは「開かれた研究所」。長年にわたる実験施設等の増改築で分散化された研究機能を集約/整理し、より創造的な研究環境へと飛躍させ、あわせて大林組の持つ最新技術のショーケースとするために、3つのコンセプトを具現化している。

(1)創造的ワークプレイス
特徴的なのは、2階に広がる90m×18mの大空間ワークプレイスだ。在籍する約200人の研究員とスタッフ全員が使用する。内側にパーソナルとパブリックの均衡する執務スペース、外周に気軽に話し合いができるミーティングスポットがある。専門分野が異なる研究員がワンフロアに集結し、交流し合うことで知的生産性を向上させる。(2011年日経ニューオフィス賞 受賞)

(2)最高水準のCO2排出量削減
「エコロジカルルーフシステム」「ペリバッファーシステム」「パーソナル放射空調システム」など、自然エネルギーを最大利用するパッシブシステムと最新のアクティブ設備システムを併用。一般的なビルに比べCO2排出量55%を抑制し、CASBEE最高Sランク7.6を取得している。

(3)最高水準の安全・安心技術
スーパーアクティブ制震「ラピュタ2D」を採用。地面の揺れと反対方向に建物を動かす仕組みにより、揺れを最小限に抑制する。(2011年日本免震構造協会賞・作品賞 受賞)

あわせて計画されたエントランスの守衛所には、ガラスの上下辺に揺れを吸収する粘弾性体を使用する「ガラス制振壁」を採用。ガラスを構造体として透明感のある建物を実現する、画期的なガラスの活用法を提案している。