file.10 ダブルスキン GLASS&ARCHITECTURE Design Files
case2:第二吉本ビルディング
[オフィス階ファサード] Top
case2:第二吉本ビルディング 第二吉本ビルディング概略 設計者インタビュー
熱環境を合理化するファサードの構成方法
最大限の採光と眺望をもたらす全面ガラスのファサードは、一方で室内熱環境の問題ともなる。ダブルスキンはこれを克服する外壁構成方法のひとつである。
DATA
■ダブルスキン外側ガラス仕様
種別:フロート板ガラス
板厚:12~19ミリ
    (主として12ミリ)
■ダブルスキン内側障子ガラス仕様
種別:Low-Eペアガラス
    (サンバランスクリア)
板厚:Low-E6ミリ+中空層6ミリ
    +フロート6ミリ
オフィス階ダブルスキン ダブルスキン内部
オフィス階のダブルスクリーン 写真:東出清彦 ダブルスキン内部
 高層オフィス階では、自然光と眺望を最高のレベルでオフィスにもたらすことと、熱環境の合理化・省エネルギー性の両立を図るために、ダブルスキンの外壁が採用された。外部スキンはフロート板ガラスを用いたアルミのカーテンウォール。内部スキンは放射熱を低減するLow-Eペアガラスを用いた内開きの障子で構成されている。両ガラスはそれぞれの役割を担い、その間に外気と室内の中間の温度をもつ層を設けることで室内側の熱環境を効率よく保とうというもの。
 ここでの特徴は、ダブルスキン内部が各階で連続しており、各階の室内排気がここを通って最上階から屋外へ排気されるシステムになっていること。室内排気にもひと工夫がなされている。夏期には、全熱交換器により熱回収されているが、それでも十分外気より低い温度の室内排気をダブルスキン内部に送り込んでいる。また、このシステムでは外気ではなく室内排気をダブルスキン内部に取り込むためその内部の汚れは軽減され、清掃のランニングコストを削減している。
 ダブルスキン内部には、各階フロアと同じ高さにグレーチングが設置されてメインテナンスのために人が立つことが可能。 その部分にはマリオンを照らすハロゲンランプがとりつけられている。 また電動ロールスクリーンも設置され、日差しをコントロールするシステムが用意されている。
ダブルスキンのシステム概念図
ダブルスキンのシステム概念図
オフィス基準階の断面詳細図
オフィス基準階の断面詳細図
オフィス基準階サッシの断面詳細図
オフィス基準階サッシの断面詳細図
ダブルスキン内部に設置されたロールスクリーン
ダブルスキン内部に設置されたロールスクリーン
ダブルスキン内部に設置されたハロゲンランプ
 
ダブルスキン内部に設置されたハロゲンランプ