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第二吉本ビルは建築外殻がすべてガラスのカーテンウォールで構成されているガラス建築である。その設計上の意図は、内部の多様な用途から生まれるアクティビティを都市へと透過させ、時とともに移ろう変化に富んだ表情を生み出すこと。建物を形態やディテールによって表現するのではなく、内部の営みの表出が建物のデザインをつくってゆくこと。 そのため外殻は透明でシンプルであることが求められた。高層部分のカーテンウォールはユニット工法が基本。低層部はアトリウムや高い天井高に対応するため現場施工のノックダウン方式が採用された。その工法の違いがファサードに出ることのないよう、カーテンウォール間の目地が65mmに統一されシンプルさを保っている。ガラス素材はフロートガラス。サッシ、マリオンなどのアルミ材はダイスマークを残したクリアなアルマイト仕上げが採用されたこともシンプルさを保つ意図を現している。 人の活動で刻々と変化してゆく外観は、低層部分と高層部分とではその表情に少し違いがある。1~2階にはスーパー・ブランドショップが入り、各店舗が独自のファサード・デザインを行っている。3、4階はより小規模な店舗が入るがガラス外壁のすぐ内側に木製の縦ルーバーが設置され、外観デザインのまとまりに配慮されている。5、6階は飲食テナント。この階の屋外テラスにはガラス・ルーバーが設置され、防災上必要な屋外テラスを外観のポイントとしている。6階の階高は他の階に比べて一段と高い7m。商業エリアと、オフィス階を視覚的に仕切るアクセントとなっている。この高さは6階のカフェが多目的イベントスペースに使用されることにも由来している。店舗には内装設計指針などのガイドラインは用意されたが、それは最低限に抑えられてそれぞれのアクティビティが発露することが期待されている。 高層オフィス階でもアクティビティを外部に現す工夫がなされる。業務終了後の退出時、蛍光灯を消灯すると、窓際にハロゲンランプが点るオペレーションとなっている。蛍光灯の光のボックスは、時間とともに淡いオレンジ色にランダムに変化していくようになっている。 |
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