−− 建物の環境性能を格付けするCASBEE(横浜認証制度)で最高位のSランクを取得されました。それは当初から目標とされていたのですか。
中村 いいえ。ただこの場所は多くの人の目につく場所ですから、環境に対する試みをしているという、環境PRを意識したデザインにしたいと考えていました。こうした環境への取り組みはコツコツと地道な努力が必要ですが、Sランクを取りたいと意識し始めてからは、それが大きなモチベーションになりました。
岩崎 テナントビルは、空調や照明など入居者の利用形態に左右される要素が大きいので、CASBEEで高い評価を得るのは難しい。やはり、外壁にこれだけの太陽光発電パネルを使えたことが大きな要因だと思います。
−− 評判はいかがですか。
中村 非常に反響が大きくて驚きました。環境対応型のビルにすることで、建物の価値が上がるというのは発見でしたね。テナントさんもこうしたビルに入居することが社員のステータスになる。また入居する建物を選ぶ際、環境性能の高いビルに入ることがCSR(企業の社会的責任)として求められる時代になってきた。投資採算の数字とは別の価値を感じます。それから、オフィスのエントランスホールには、発電電力や日射強度などをリアルタイムで表示するパネルを設置しました。これはどなたでもご覧になれます。
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