−− 実際の太陽光発電パネル*のデザインについてうかがいます。
濱野 パネル面は西向きなので発電効率としてはベストではない。しかし、不透過なセル(太陽電池)同士の隙間を開けることで、パターン化したシェードにもなる。エレベータホールから見ると、きれいな模様になっていると思います。建材一体型はオーダー商品なので、そのセルの並べ方や間隔に自由度があって、それは非常に大きなメリットでした。他のガラス面と並んだときの外観の見え方、内部でどのくらい光を透過させて景色を見せるか、また逆に光を遮るかを、アクリルの大きな模型をつくってミリ単位で検討しています。
岩崎 外部は、全体のカーテンウォールとの一体感を求めて、青い色を抑えたい。なおかつダブルスキン内部を明るくしたいので、セルの間隔をある程度開け、内側の壁を少し明るいグレーにしました。また内部は、横浜駅方面への眺望と日射遮蔽のバランスを検討し、最終的な開口率は約50%になりました。それからセル同士は縦につないでいるので、その配線が目立たないように、縦方向を密に横方向は少し開け気味にしています。
濱野 セルは直列の配線なので偶数列につくる必要があり、面積の割合もそれほど細かくは調整できません。われわれが求めるサッシュ割りと合わせるのに、かなりのスタディが必要でした。
中村 外から見ていると、朝昼晩、光のあたり方によって色や表情がすごく変わります。太陽光発電パネルであることを、さりげなくアピールできているようです。
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