case6:横浜ダイヤビルディング GLASS&ARCHITECTURE Design Files
file.25 太陽電池のモジュールパターンをデザインする
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概要 基本図面
美しく配された太陽電池が視線の透過と日射の遮蔽を最適にコントロールしつつ、内外の環境に寄与している。

−− 実際の太陽光発電パネルのデザインについてうかがいます。

濱野  パネル面は西向きなので発電効率としてはベストではない。しかし、不透過なセル(太陽電池)同士の隙間を開けることで、パターン化したシェードにもなる。エレベータホールから見ると、きれいな模様になっていると思います。建材一体型はオーダー商品なので、そのセルの並べ方や間隔に自由度があって、それは非常に大きなメリットでした。他のガラス面と並んだときの外観の見え方、内部でどのくらい光を透過させて景色を見せるか、また逆に光を遮るかを、アクリルの大きな模型をつくってミリ単位で検討しています。

岩崎  外部は、全体のカーテンウォールとの一体感を求めて、青い色を抑えたい。なおかつダブルスキン内部を明るくしたいので、セルの間隔をある程度開け、内側の壁を少し明るいグレーにしました。また内部は、横浜駅方面への眺望と日射遮蔽のバランスを検討し、最終的な開口率は約50%になりました。それからセル同士は縦につないでいるので、その配線が目立たないように、縦方向を密に横方向は少し開け気味にしています。

濱野  セルは直列の配線なので偶数列につくる必要があり、面積の割合もそれほど細かくは調整できません。われわれが求めるサッシュ割りと合わせるのに、かなりのスタディが必要でした。

中村  外から見ていると、朝昼晩、光のあたり方によって色や表情がすごく変わります。太陽光発電パネルであることを、さりげなくアピールできているようです。

太陽光発電パネルの詳細
 
写真:ヒロ・フォトビルディング

エレベータホールよりガラス越しに
太陽光発電パネルを見る
 
写真:ヒロ・フォトビルディング


* 横浜ダイヤビルディングの太陽光発電モジュール「サンジュール」の構成:(屋外側から)高透過強化ガラス5ミリ+EVA(中間膜)+セル(シリコン系多結晶太陽電池)+EVA+強化ガラス5ミリ
 
 
   断面図
 
  立面図(拡大)