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埼玉県川越市の田園地帯に建つ2層の郊外型二世帯住宅。敷地は東西に長い約95坪の旗竿地で、建物はリビング・多目的室・母室・アトリエで構成する1階上に、広々としたデッキを介してダイニングキッチン棟と主寝室棟の「ふたつの木箱」が東西端部に対峙して載る形態をとっている。

この形態は開放的な周囲の環境をいかに室内に取り込むかそして家族間の適切な距離をいかに確保するかという設計者でもある施主の意図の反映である。興味深いプラン構成もさることながら、この家を特徴づけているのはリビングとふたつの木箱の外周に張り巡らされたガラスの被膜だ。サッシを含むガラス面積が約120㎡にも及ぶ厚さ4ミリの温室用透明板ガラスを用いたこの被膜は、杉板張りの内側壁と共に二重外壁構造の外側壁を構成し、木とガラスの両素材がラップして同時に見えるという面白い効果が十二分に味わえる外装となっている。

全外周面積の約6割を占めるガラスの開口部と壁により内外の一体化が図られると同時に、この家では1階のレベルを地盤面から90cm高くすることやプライベート空間の間に多目的室やデッキを設けることで、上下階の近さを感じさせながら様々な生活の場の演出を可能にしている。結果として各人の動線が明解になり家族間の程良い距離が保たれ、しかも「生活シーンの数だけ家族の思い出を加えることができる」という出会いと楽しさに満ちた内部空間を創り出している。
左上:ふたつの木箱(ダイニングキッチン棟と主寝室棟)がデッキをはさんで横長の1階部分に載る様子がよくわかる北側外観。1階には水平ラインを強調する意味で窓を一列に配置。
左中:左のリビング・ダイニングキッチン棟と右の主寝室棟が前面に突出した形態をもつ南側外観。
左下・右上:杉板張りの内側壁と透明ガラス張りの外側壁による二重外壁構成を示す東側外観とリビングの南側外観。水平配置の軽量鉄骨下地材に525×900ミリの標準サイズのガラスを連続して設置。
右下:各室の構成と家族の動線を示すダイアグラム。「たまたま会える場」が幾つも工夫されている。
 

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