大きなガラス壁で内外を一つの空間に見せる家(1):Design Files|旭硝子のGlass-Plaza Pro

東京都中野区の住宅密集地に建つ鉄筋コンクリート造3階の都市型住宅。敷地は南北に細長い矩形で、建物は1階に駐車場・玄関・浴室・トイレ・中庭、2階にLDK、3階に主寝室を配したシンプルな構成。

間口約5.2m面積約20坪という小さな敷地の両隣は駐車場だが、周辺の建物と同様、将来は数十センチの至近距離で家が建つと予想された。設計ではこの敷地条件を考慮し、東西面を閉鎖的に処理して開口を最小限に抑え、南北面を全面開口として開放的に扱っている。特に前面道路に接する南側のテラス部分はプライバシー確保を兼ねて、角度により開口率が異なる特性をもつ目の細かいアルミエキスパンドメタルで全面を覆い、外から室内を見えにくくしている。

外観上の処理と共にこの家を最も特徴づけているのは、南北のガラス壁を構成する網入りペアガラス(厚6.8+6+5ミリ)と網入りガラス(厚6.8と10ミリ)によって作り出された内部が、各階とも視線を遮る間仕切り壁のない明るく開放感にあふれたワンルーム風の空間となっている点である。内部と外部があたかも一つの部屋に見えるというこの効果は、色が揃っているだけでなく、緑化壁面のある中庭や駐車場やテラスといった半屋外空間と屋内空間が床・天井とも高低差なく大きなガラス面を介して繋がり一体化されているためである。

上:左から南側、東側、北側の立面図。外観デザインにおける開放/閉鎖の処理がよくわかる。
下:西側外観。ディテールを消すことで近接する隣家と対比的な様相を見せるフッ素樹脂塗装鏡面仕上の外壁が建物の存在感を際立たせる。
右上:閉鎖的な東西側とは趣を異にする南側外観夜景。スダレのような効果をもたらすアルミエキスパンドメタルを通して内部の光がガラス壁を介して淡く輝き、幻想的な雰囲気を作り出し印象深い。
右下:駐車場・玄関・浴室・トイレ・中庭の各スペースがガラスで仕切られているため、人工緑化された中庭壁まで視線が抜け、内外空間が一体となって見える1階部分。