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山梨県大月市の自然豊かな郊外に建つ木造2階の住宅。敷地は南側に一級河川が流れ、北と東側が崖地になった道路より一段高い平坦地。建物は湿気の多い北側を避けできるだけ南側に配置したため道路側の擁壁をまたぐ形態となっており、1階にLDK・主寝室・収納・浴室・トイレ、2階に子供室を配したシンプルな構成。

施主が望んだのは、東側の崖地を埋めつくす御神木の緑と南側に広がる笹子川を介した眺望という敷地周辺の環境を活かした家族の気配が伝わる家。設計に際してはこの地特有の夏暑くて冬寒い気候を考慮して敷地形状に見合うグランドピアノ風の平面形態とし、要望に叶うよう3つの居場所を設けた。

一つは南側の眺望と冬の陽光が得られるダイニングキッチン部分の「川を眺める居場所」、二つは東側の崖地に沿って湾曲する開口部を通して緑が楽しめるリビング部分の「樹木を眺める居場所」、三つは両者を分け椅子のようにくつろげる「階段の居場所」。各居場所には3枚引きの窓、高さの異なる9枚の縦長ガラス壁、天窓、という“場”を演出するガラス開口部があり、それがこの家の特徴ともなっている。
季節や時間帯に応じて個々人の行為に見合った過ごし方を可能にする柔軟性に富む場を持つ内部は、2種類のペアガラス(6+A+4ミリと8+A+6ミリ)を用いた形も大きさも異なるガラス開口部と、町屋風に処理された黒色の床と白色の珪藻土壁・天井という内装と相まって、自然の心地よさを満喫できる快適な空間となっている。
上:崖地の曲線に沿って杉板張りの細長い構造壁と、幅910mm高さ1.95~4.2mのペアガラス9枚とを傾斜させながら交互に連ねた長さ8.2mのガラス開口部が独特の雰囲気を醸し出す東側外観夜景。緑の樹々に囲まれて吹抜けのリビング部分が淡く浮かび上がる様は幽玄の趣を感じさせる。
左:北と東に緑が広がる敷地形状に見合ったグランドピアノ風の形態と突出する天窓を持つガルバリウム鋼板平葺の大傾斜屋根が印象的な全景。
上:既存擁壁から1階LDKの一部と木製格子のあるバルコニーが道路側に張り出した南側外観夜景。駐車スペース奥の階段の先が玄関。
 

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