ガラス開口部が開放性の異なる領域を緩やかに繋ぐ家(1):Design Files|旭硝子のGlass-Plaza Pro

神奈川県川崎市の自然林の山の裾野に建つ木造2階の住宅。敷地はやや傾斜した南北に長い台形状。建物は1階が玄関、納戸、和室、食品庫、LDK、中庭、2階が子供室、主寝室、浴室・洗面室、テラスで構成され、全体が6レベルから成るスキップフロア型となっている。

施主でもある設計者は自然との結びつきが強い特徴ある敷地を最大限活用することを考え、周囲の豊かな自然と完全に囲まれた内部空間との間に「敷地外の人の手の加わっていない自然、敷地内の人工的な庭、建築的な要素で囲まれた外部空間、外部に対して開放的な内部空間、壁に囲まれた内部空間」という5つの領域を南北方向に並べたレイヤーを設定した。更に、山から連続するように庭に貫入した丘、モミジの木のテラス、LD間の中庭、テラスに飛び出した浴室、寝室下のアプローチ空間など、レイヤーを逸脱する操作を加え、領域が緩やかに繋がる状態を創り出した。

異なる空間が曖昧に混ざる状態を更に強調するのがこの家を最も特徴づけるペアガラス(10+8+10mm)使用のガラス開口部である。大きなガラス壁の多用によって様々な「うち」と「そと」の関係が現れては消え、季節、時間帯、天気や気分に応じて居心地の良い空間が現出している。
上:武蔵野の自然林に寄り添うようアプローチ道と敷地地盤面のレベル差1mを利用して半分埋まるかたちで高さを低く抑え、控えめな佇まいを見せる南側外観。砂利敷きの庭には掘削した残土を使って崖部分に沿わせた人口の丘、高さ10mを超す既存のモミジ、外室と繋がる墨モルタル仕上げの通路とテラスがある。
下右上:大きなガラス壁越しに内部の明かりが浮かび上がる南側夕景。
下右中:高さ1.75m幅3mmのガラス壁のある2階主寝室と、テラスから大きく飛び出すかたちで配されたガラス張りの快適な浴室。
下右下:リビングの高さ2m幅約3.2mの巨大なガラス壁越しに中庭を介してダイニングを見る。椅子の置かれた屋根付き部分が施主の気に入っている外室。