大屋根を切取るハイサイドライトが快適な室内環境をもたらす家(1):Design Files|旭硝子のGlass-Plaza Pro

石川県金沢市の古くからの港町金石に建つ木造2層の住宅。敷地は台形状の平坦地で、建物は1階が玄関、サンルーム、ホール、和室、寝室、書斎、洗面・トイレ・浴室、2階がLDKという構成。

施主は町並みに配慮した快適な室内環境が得られる家を望んだ。そこで設計者は、この地の特徴でもある木造かつ屋根に勾配がある建築上の特徴を踏まえつつ、夏暑く冬寒い気候にも耐えうる快適なシェルターを目指し、矩形平面の上に載る大きな片流れの大屋根を切取る形で真南向きのハイサイドライト2つを設けた。これにより冬季は直射日光を十分に得、夏季には適切な長さの庇により内部への直射日光を防ぐことができ、太陽光や自然通風、季節による寒暖といった自然環境に対応した最適な建築の形と室内温熱環境を創出した。

屋根形状と共に防火処理ペアガラス(6+6+6mm)使用の菱形ハイサイドライトはこの家を最も特徴づけており、しかもこのガラス開口部に沿う形で設けられた吹抜けにより、視線の高さで奥行きが変わったり窓の形状が違って見えるなど、内部空間は大変表情豊かである。
上:ガルバリウム鋼板による銀色の勾配屋根・2つの菱形ハイサイドライト・杉下見板張りの外壁が独特の表情を見せ周囲の建物とは趣を異にし、その佇まいが強い印象を与える南側外観。左側の広い玄関と一体化したサンルームはガラスで囲われている。
中:大きく南に向かって降りてくる片流れ屋根の形状とその屋根を斜めに切取るハイサイドライトが人目を引く建物の全景。屋根形状とハイサイドライトの大きさは日射投影シュミレーションの検証過程を経て決められた。
下:矩形平面・大屋根・開口部形状の全体像が分かる在来軸組構造の架構模型。屋根面を幾つかの小梁面が連続するストライブ状態と捉え、その帯を接続・分離させることで開口部の大きさが自由に操作可能となり建物の形と屋根の美しさが追求された。