Javascript is disabled.


アーキテクトルーム

■住まいの話題[566]:こだわって、かつ臨機応変に
画像をクリックすると大きなサイズで見ることができます。
情報が溢れる現代
現代は情報があふれていて、様々な情報が簡単に手に入ります。建築専門雑誌ではない月刊誌でも建築特集が頻繁に組まれ、ネットでは個人の方の家づくりブログがたくさんあります。ほんとうに多くの情報が簡単に手に入るようになりました。

建主さんも、様々な情報を本やネットで調べていて、我々も知らない新製品を知っていることも度々です。私が仕事を始めた頃は昨今のようにネットがみんなに使われていませんでしたが、今では仕事をする上でなくてはならないツールになっています。本当に便利になりました。
情報の信憑性
いろいろな情報がオフィスから検索・入手できることは非常に便利ですが、一方で、得た情報が正確なのか、何を根拠に言っているのか判らない怪しい情報も多々あります。そこには都合の良い条件で作ったデータや、かなり限られた使い方だけでメリットがあるかのように書かれたものもたくさんあります。

実は最近、断熱でいままでやっていた方法を再検討する機会がありました。その時に専門書だけではなく、ネットでも調べました。かなり多くのページを見たのですが、内容のほとんどは根拠が曖昧だと感じるものばかり。もちろん、専門家のページではないので根拠がはっきりしないのは当たり前ですが、改めてビックリしました。なかには、かなり突っ込んだ内容をさも本当のように書いてあるページも見受けられました。このようなページは、ある面では間違いないのですが、本当だと思い込むことで、建築計画を狭める危険性があります。
雪ヶ谷の家:ダイニングを見る 矢野口の家:光の入る玄関
情報には冷静に対処
溢れている情報のなかで、どの情報がどの場面で正しいのかを判断するのは非常に難しいことです。それが専門知識であればあるほど難しくなっていきます。情報を得て、いろいろな知識を身につけていくのは建主さんにとっても非常に大切なことです。ただ、その情報が時には正しくないこともあるという点を、頭の片隅に置いてもいいのではないでしょうか。特に専門技術に関しては設計者とよく相談し、冷静にチェックしてほしいと思います。
緩やかな優先順位
建物の計画は、様々な条件を集めて建主さんの求めるものを形にすることです。土地の条件や家族構成、暮らし方や物の好み、建主さんのこだわりの数々・・・、そして夢。これらを答えのないパズルのように組み合わせるので、一つのパーツの置く場所を決めることで、かなりの部分が制約を受けることになります。

こだわりを持つことは家を建てる上で非常に大切です。一生に一度かもしれない家を建てるのに、様々な夢を詰め込んでいくのは当たり前だと思います。こだわりのある家は特徴が出ていてしかも個性的で惹かれることが多いです。

ただ、様々なこだわりに「緩やかな優先順位」をつけておいたほうが、計画に際してはよりよい家になるのではと感じています。いろいろな条件を満たそうとすると、要望が相反することはよくあります。その時、要望に「緩やかな優先順位」がついていれば、臨機応変な解決策が出てきやすくなります。

これから家を建てる方々もいらっしゃると思います。その時にちょっと思い出してください。「こうじゃなきゃいけない」なんてことはないんだと。いろいろ情報を調べて知識を得て、そのうえで要望に、臨機応変に考えられるような「緩やかな優先順位」をつけてみては如何でしょうか? その要望を設計者に伝えると、様々な提案を出してくれます。それが設計者の仕事なのですから。
住まいの話題[566]執筆者
■菰田 真志(こもだ まさし)/ (有)菰田建築設計事務所



ページTOPへ