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アーキテクトルーム

■住まいの話題[760]:日常が楽しくなるいえ~余白~
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日常のひとコマ
朝起きておはようの一言、ありがとうの一言、美味しいご飯を食べたとき、青い空を見たとき、近所の野良猫が寄ってきて挨拶されたとき、などなど。何でもない毎日の生活でふと楽しい気分になることがよくあります。私はこの瞬間が好きです。

住まいでもこんな住まいを作りたいと思っています。朝起きて気持ちの良い光が家の中に飛び込む、さんさんと入り込む太陽の光と青い空の下でご飯を食べる、子供が駆け回る風景、お母さんが料理しているときの家の中に響き渡る音、夜のしんとした中での夜空、みんなの笑い声が家の中を駆け巡る。こんな風景をいつも想像しています。設計をしているときにはいつも図面の中の想像の世界で毎日楽しく生活しています。
北千束の家のはなし~余白が作り出す楽しい空間
現在工事中の住宅でもたくさんのことをイメージして設計しています。その際に私の中でテーマとしているのが余白です。余白は物理的な空間のことであったり、気分的なことであったりします。私はこの余白が毎日の楽しさを作り出すひとつの手法だと思っています。いつもどのように余白を散りばめるかを頭に入れて設計しています。

≪余白1≫:外と一体に感じることが出来るリビングダイニング。建物の計画をしていると敷地の諸条件で敷地には必ず余白が生まれます。その余白を活用することで気持ちのよい空間を手に入れることが出来ます。北千束の家ではその余白を外のリビングとしました。リビングダイニングと外のリビングが一体に感じることが出来て、面積以上の広さを感じることが出来ます。そして何よりさんさんと降りそそぐ光と青い空を手に入れることが出来ます。
北千束の家 :1階平面図 北千束の家:余白2とその上の余白1
≪余白2≫:1階のぐるりと巡ることの出来る路地。この場所の本来の目的はガレージと玄関へのアプローチです。しかし同時にここは子供たちの遊び場でもあり、近所の人が井戸端会議する場でもあります。このような自由に使えるような余白を持つことが思いがけない楽しさを作り出せると思っています。

≪余白3≫:自由な部屋。最初は子供部屋として使います。子供の成長と共に個室になったり、引き戸を開け放てばリビングと一体になった第二のリビングになったり、これからの日々の変化へフレキシブルに対応出来るような余白をつくっています。

≪余白4≫:小さい場所たち。ハナレ、縁側。本来は必要がない場所です。ただし生活をしていく中でこの場所はとても大事な場所になります。ハナレとか縁側に座ってのんびりしたり、遊んだり、生活に彩りと気持ちの豊かさを与えてくれます。このような気持的に豊かになれるような余白が、毎日の生活においてはとても大切になると思っています。
私の考える住まい
私が考える住まいは、楽しめる場所を作り出すことだと思っています。お客さんへの余白という「+α」のプレゼントを詰め込んだ住まいです。その楽しさは住みながらどこかのタイミングで気づいてくれれば良いと思っています。何年後か何十年後か先になるかもしれません。ある瞬間に、ふと「いいな~」って思ってもらえるとうれしいです。

住まいは竣工してすぐにはスペシャルな気持で住みます。でもどんなにかっこ良いものをつくったとしても、すぐにスペシャルな場所から日常の場所に変わります。私はスペシャルにも感じて欲しいと思いますし、いつしか家族の日常の風景を包み込むような背景であって欲しいとも思っています。建物も人も一緒に成長するものです。一緒に楽しさを刻んでいって欲しいと思います。

ふと子供の頃に背比べした柱の傷跡を思い出しました。こういう日常の風景が好きです。
住まいの話題[760]執筆者
■佐藤 友則(さとう とものり)/ (株) ラフワークス



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