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私たちの暮らしと地球温暖化

はじめに

光という恵みを私たちは普段あまり意識することなく、いつも当然のものとして享受しています。
その光が人にもたらす可能性に目を向け、日々の暮らしを豊かにすることを考えるとき、
私たちの住む地球の今と未来を、一度立ち止まって、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

地球に何が起こっているのか

最近は毎年、夏が訪れると昨年よりどのくらい暑くなったか、春と秋がどのくらい短くなったかという話題にこと欠きません。最高気温が35度以上の猛暑日という説明では足らず、酷暑日という言葉も良く聞かれるようになりました。一体私たちの住むこの地球に何が起こっているのでしょうか? 

コペルニクスという欧州連合の地球観測プログラムは地球の表面温度を継続的に観測しています。下図を見ると、約半世紀にわたって地球の表面温度を眺めてみると右肩上がりになっているのが分かります。日本で私たちが肌で感じるだけではなく、全地球的規模で気温が高くなってきています。

1979年から2025年の全ての月について、1991–2020年平均を基準とした全球平均の地上気温偏差
出典:
Third-warmest July globally as extreme climate events continue | Copernicus

地球温暖化のメカニズム

どういう仕組みで地球は温暖化するのでしょうか?

太陽の光(太陽放射、太陽が放射するエネルギー)は、スペクトル分解すると約半分は可視光線であり、残り半分は赤外線や紫外線が占め、日射として地球の表面に到達します。
地球はこの太陽の光からエネルギーを受けとり、地球の表面からその熱を赤外線として放出します。もし、大気が無かったら、赤外線は宇宙に逃げていき地球の温度はマイナス18℃になってしまいます。しかし、地球には大気があり、二酸化炭素や水蒸気など赤外線を吸収するガスがあります。このガスには地表から放出された赤外線を吸収し、再び地表に赤外線を戻して地球を温める「温室効果」があり、現在の地球の平均温度は約15℃に保たれています。つまり地球に入ってくる熱と地球から出ていく熱とが釣り合うように気温が決まっているのです。そうでなければ地球は寒い星になってしまうので、大気中のガスによる「温室効果」は地球にとって必要なものです。

最近耳にする温室効果ガス(GHG)は温室効果をもたらす気体のことで、水蒸気、二酸化炭素(CO2)、メタン、一酸化二窒素、フロンなどが該当します。私たちは、過去の貴重な遺産である化石燃料(石油、石炭、天然ガス)を地中深くから掘り出して燃やし、電気を生み出したり、船や飛行機、自動車などで物資を輸送したり人が移動したりしています。このような化石燃料の燃焼により、大気中のGHGを増やし続けているので、必要以上に「温室効果」が高まり、地球の温度は上昇し続けてしまう、これが”地球温暖化”といわれている現象です。
これを止めるために、例えば、CO2の排出を30%減らしても充分ではなく、GHGの排出の75%を占めるCO2を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを達成しGHG排出を抑止しなければ、”地球温暖化”は止められないのです。

どうして地球温暖化を止めないとならないのか

地球温暖化が止まらないとどうなるのでしょう。

産業革命の時代から1.5℃気温が上昇すると、今後2000年にわたって海面が上昇し、今より最大3メートル上昇するとも言われています。海面が上昇してしまうと、多くの人が住む場所を失い移住しなければならなくなります。

海面上昇以外にも、気温が上がることで、海や地表からの水蒸気が増え、大雨や台風の被害を大きくします。一番恐ろしいのは、温暖化が暴走してしまうことです。温暖化により南極の氷が解けていってある段階を越えると茶色の地表がむき出しになるとしましょう。すると、白い氷では反射していた太陽の光を逆に吸収するようになり、気温上昇が一気に進むという説もあります。いずれにしても、不可逆的な状況になることは避けなくてはいけません。既に南極やグリーンランドの氷床の減少など修復できない現象は起こり始めています。こういった状況が進まないようにするためにも、私たちは今から対策を打ち続けていかなければならないのです。

崩れ落ちる氷河

世界は今まで何をしてきて、どこに向かっていくのか

持続可能な開発目標、いわゆるSDGsと17のカラフルなアイコンが登場してから だいぶ歳月が経ちました。1992年に結ばれた気候変動枠組条約に参加している全196カ国が、このSDGsが採択された同じ2015年に「温室効果ガス削減目標を提出し、対策をとる義務を負い、以降5年ごとに目標を見直すこと」に枠組条約を批准している国々による国際会議(COP21)で合意しています。いわゆるパリ協定です。

出典:国際連合広報センター

日本もこの枠組みに則って、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、地球温暖化ガスの排出削減目標を世界に示しています。

しかし、世界の国々の間ではまだ大きな経済格差があり、日々の食事や照明に必要なエネルギーに不自由している人がたくさんいて、エネルギーはもっと必要です。これと同時に、温暖化を抑え、大気汚染を軽減することは、難しい課題です。持続可能な開発と言っているのは、この成長と更なる温暖化を止めることを両立させるということに他なりません。各国が公表している温暖化防止政策の総和だけでは足りないので、経済成長は保ちながらも、その源となるエネルギーにおいて、もっと高い効率やクリーンな技術を重視する強力な政策が必要となっています。

GHG排出削減に向けての施策は、地球温暖化の進行を止めるということで「緩和」施策と呼ばれています。一方で、気候変動による例えば異常気象にどう対処していくのかということも進めていかねばならず、これに当てはまる打ち手は「適応」施策と表現されます。聞き慣れない言葉ですが、気候変動対応の両輪としてこの二つの施策群が考えられています。

この画像は気候変動適応情報プラットフォームで公開されている素材を使用して作成しました

私たちの暮らしと地球温暖化

さて、私たちの日常は、仕事や学業、趣味、家族の団欒など様々な活動で成り立っています。そのためには、衣食住といった物資、電車やバス、自動車といった移動手段、また快適に過ごすための冷暖房といった環境制御を必要としています。

これらは全て膨大なエネルギーによって支えられており、その大半がGHGを排出する化石由来の原料や燃料によって成り立っています。

私たちが毎日食べる食料、例えば、穀物や野菜も例外ではありません。植物の成長は光エネルギーを使う光合成によるのでGHG排出はありません。それでも、散布する肥料や殺虫剤、農耕機を使った刈り取り、食品加工や包装の工程を経て、消費者のもとへ運送され、最終的に家庭で調理され、家庭からの残飯が再び運搬され、焼却または埋め立てされる・・・これらのことは、全てGHGの排出を伴います。

AGCがお届けするガラスも例外ではありません。原料調達から、製造、運搬そして最後の廃棄までその製品としての一生を通じて多くのGHGを排出します。ガラス製造からのGHGの排出を減らすために、その排出メカニズムと対策をお話していきます。


著者:ミライヲテラス編集部

AGC建築ガラス アジアカンパニーでマーケティングのお仕事をしているチーム。
窓ガラスなど光をコントロールする建築ガラス製品が、人間のココロやカラダに大きく関連し、人の活動や行動にも影響を与えることを知り、調査を開始。
知れば知るほど、この情報を建築に関わる、建築に興味がある全ての人に伝えたい思いが強くなり、「ミライヲテラス」を開設。

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