インナーウインド《まどまど》 /引き違い窓
耐風圧性に関するご注意
ここで記載している事項およびデータは、AGCの各種試験結果と技術的見解に基づいて作成しております。
インナーウインド《まどまど》は既存外窓の室内側に取り付ける内窓ですが、二重窓構造の場合、風圧力は外窓と内窓の両方にかかります。
また、この風圧力には正圧と負圧(※1)があり、条件によっては、負圧がインナーウインド《まどまど》に影響を与えることがあります。

マンションなどで、台風など特に強風時(※2)には、窓・ドアの開閉状況により、対応(負圧軽減操作)(※3)が必要な場合があります。
玄関ドア等を開ける場合(開いている場合)は、外窓をしっかりと閉めたままインナーウインド《まどまど》の障子を3センチ以上開けてください。
外窓・インナーウインド《まどまど》ともしっかり閉め、さらに玄関ドアや外部に面する窓も閉まっている場合は、インナーウインド《まどまど》の負圧軽減操作(※3)は必要ありません。
※ 負圧軽減操作の要否判定は下記(表1)をご参照ください。
解説
建物壁面に負圧Aがかかった場合、開いている玄関ドアや外部に面する窓などから外気が流入し、インナーウインド《まどまど》にも負圧Bがかかりますので、基準風速(※2)による強風時、インナーウインド《まどまど》の大きさ、建物の高さによっては、インナーウインド《まどまど》の上枠が変形し、障子上框の一部が室外側へ外れることがあります。ただし、障子自体が脱落することはありません。この場合、一旦変形した上枠は元の形状には戻りません。
外窓・インナーウインド《まどまど》とも閉じていて、玄関ドアや外部に面する窓も閉じられている場合は、基準風速(※2)による強風時であっても、インナーウインド《まどまど》にかかる負圧は小さいために、インナーウインド《まどまど》の大きさ、建物の高さに関係なく、負圧軽減操作(※3)は必要ありません。

(※1)正圧と負圧
建物に当たった風は、建物の上側や左右に回り込みます。このとき風のエネルギーは圧力となり、建物の風上側に「正圧(建物を押す圧力)」、風下側に「負圧(建物を引く圧力)」が作用します。
(※2) 基準風速
その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/秒から46m/秒までの範囲内において国土交通大臣が定める風速のことです。このご注意で「強風時」としているのは、風速34m/秒を想定しています。これは沖縄・九州南部・四国南部・千葉房総地域等を除くほとんど全国に適用される基準風速値です。その程度は
表2「風の強さと吹き方」で、「平均風速(m/秒)30以上」の欄をご参照ください。
(※3)負圧軽減操作
インナーウインド《まどまど》にかかる負圧を軽減するため、外窓をしっかりと閉めたまま、インナーウインド《まどまど》の障子を3センチ以上開ける操作のことです。

〈基準風速〉 | 34m/秒(平成12年建設省(現国土交通省)告示第1454号) | ||
---|---|---|---|
〈地域〉 | 東京都23区、大阪市内など | 〈建物の高さ〉 | 150m |
〈地表面粗度区分〉 | III | 〈階高〉 | 3m/階 |
〈再現期間〉 | 50年 | 〈建物の型〉 | 閉鎖型 |

- 例えば、窓の大きさが幅1800ミリ、高さ2000ミリの場合、15階建てまでの建物は負圧軽減操作(※3)なしに問題なく使用できます。玄関ドア等開放の場合でも、基準風速(※2)による強風時、負圧による上枠の変形は起こりません。
- 上記の例で、インナーウインド《まどまど》を16階建て以上の建物で使用する場合は、負圧軽減操作(※3)が必要になります。
- 負圧の大きさは建物の高さにより一律に決まりますので、負圧軽減操作(※3)の要否はインナーウインド《まどまど》の設置階数を問わず、建物高さにより決まります。


- (注1)
- 表に示した風速は、10分間の平均風速です。風の吹き方は絶えず強弱の変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍から3倍以上になることがあります。
- (注2)
- 風圧Pは、風速Vの2乗に比例します。上表は箱型の建物の壁が受ける圧力を示しています。
(P=0.05・V2:P風圧、V風速)
- (注3)
- 「強い風」や「非常に強い風」以上の風が吹くと予想される時は強風注意報や暴風警報を発表して警戒を呼びかけます。 なお、注意報、警報の基準は地域によって異なります。
- (注4)
- この表を使用される際は、以下の点にご注意ください。
- 風速は地形や廻りの建物などに大きく影響されます。風速は、風速計が置かれている地点での観測値ですが、同じ市町村であっても周辺の地形や地物の影響で風速は異なります。
- 風速が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や風の吹き方によって被害が異なる場合があります。この表では、ある風速が観測された際に、通常発生する現象や被害を記述していますので、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。
- この表は主に近年発生した被害の事例から作成したものです。今後新しい事例が得られたり、表現など実状と合わなくなった場合には内容を変更することがあります。
なお、不明な点や個別物件の計算実施等、詳細につきましては、AGCカスタマーセンターへお問い合わせください。
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