防犯

窓ガラスは、風雨を防ぎ、光線や視線を通す建物の大事な部位ですが、空き巣犯などによって割られたりする可能性がある部位にもなり得ます。これらの人災に備え、防犯の機能を持つガラスを選ぶことは重要です。

防犯ガラスの防犯性について

開口部の防犯、特に窓ガラスの防犯対策は、安心・安全な暮らしには欠かすことができません。
侵入犯の犯罪対象は、住宅や業務・商業施設など多岐にわたります。

防犯ガラスイメージ

特に開口部は侵入口としてよく狙われる部位であるため、開口部の鍵や構造による防犯対策、シャッター等による対策と併せ、ガラスそのものにも防犯性が必要です。

侵入犯に最も狙われやすい侵入口は「窓」です。(戸建住宅の場合)

円グラフ:侵入犯の侵入口

侵入犯への聞き取りによると、5分以内に侵入できない開口部や、破壊時に大きな音が出ることなどが、防犯効果を生むことがわかります。

ガラスを破るとき、
どんなことに注意しますか?

円グラフ:侵入犯の心理

約45%の侵入犯は、
音を立てずに
侵入しようとします。

侵入するのにどのくらいの時間が掛かれば、
侵入をあきらめますか?

円グラフ:侵入犯の心理

約70%の侵入犯は、
侵入するのに約5分以上かかると
あきらめます。

  • 出典:『JUSLIリポート No.12 侵入盗の実態に関する調査報告書(4) ー住宅対象侵入盗発生実態編ー』
    (財)都市防犯研センター,平成9年

侵入犯に入られにくい窓ガラスとは

防犯の基本は、侵入犯に嫌われる窓ガラスです。空き巣狙いなどの侵入犯が何より恐れているのが、人の目です。

<破壊するとき大きな音が出る><侵入するのに時間がかかる>

このようなことを嫌うのも、人の目が気になるからです。
ガラスの場合は、破壊時に大きな音がしたり、貫通孔を開けるのに時間がかかるようにすることが有効ですので、防犯性能を有する特殊フィルムを用いた合わせガラスを用います。フロート板ガラス、網入板ガラス、強化ガラスには、防犯性は期待できません。

防犯ガラスに求められる基準には、次にあげる2つがあります。

防犯性能の高い建物部品目録

警視庁や国土交通省、経済産業省、民間団体などで構成された「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で定めた建物部品別の防犯試験に関する細則に基き、防犯性能の高い建物部品を商品ごとに認定しています。
窓ガラスの場合は、ガラスを破る主な手口である「こじ破り」「打ち破り」「焼き破り」3つの方法すべてに対し、決められた条件をクリアしたガラスをさします。

防犯ガラスイメージ

防犯性能の高い建物部品目録には、約7割の侵入犯が侵入をあきらめるとされる「5分」に耐えることを基準とした侵入手口に応じた防犯性能試験を実施し、これをクリアしたドア、ガラス、錠、サッシなどの建物部品が掲載されています。

防犯性能試験をクリアしていることを示すため、本目録に掲載された防犯性能の高い建物部品には、図のようなCPマークを表示することができます。これは、「防犯(Crime Prevention)」の頭文字をデザインしたものです。
なお、防犯合わせガラスが窓として防犯性能を発揮するには、ガラスの施工・使用に関する板硝子協会基準を満足する必要があります。
協会基準では、本目録に掲載されたサッシの使用推奨、サッシのかかりしろ、補助錠の必要個数などが定められています。

ガラスの防犯性能に関する板硝子協会基準

ガラスの防犯性能に応じてグレード分けした基準です。こじ破り(P1K~P3K)と打ち破り(P1A~P5A)を対象としており、P2以上かつP2K以上の基準を満たすものを上記2つの対象手口に対して防犯性能が期待できるガラスとしています。
AGCの防犯ガラスに該当するものは、ラミセーフシェルターラミセーフセキュリティークールベールなどがあります。