ガラスの豆知識VOL.11 合わせガラス中間膜

今回のガラスの豆知識は、いま最も注目されている『合わせガラス』の中間膜に迫ります。

今まで合わせガラスは、飛散防止・安全ガラスとして使われる場合が多かったのですが、
近年の防犯意識の高まりから、『防犯ガラス』としての需要が急拡大しています。
一般的に多く使われるのは、透明のポリビニルブチラール(PVB)膜ですが、
これ以外にも以下の機能やデザインを持つ中間膜を使った合わせガラス商品があります。

遮音中間膜(ラミシャットに使用)
従来のPVB中間膜の間に、
遮音性の高い特殊PVB膜を挟んだ
3層構造の膜になっています。
遮音性を高めたい建物の開口部に用いられる
ほか、高級乗用車のフロントウインドウや
サイドウインドウなどにも使われています。
遮熱中間膜(セキュレ/ラミセーフセキュリティー/スクールセーフィー クールベールタイプに使用)
従来のPVB中間膜に、目には見えない非常に
小さな赤外線吸収材を混入させて います。
透明感を損なわずに、ジリジリと肌を刺激する
赤外線を遮ることができるため、自動車の
フロントウインドウ、フロントサイドウインドウに
使用されたのが始まりで、
建築用にも使われだしています。
着色中間膜(カラーラミセーフに使用)
顔料を混ぜて、着色したPVB中間膜です。
AGCでは、ブラウンと乳白をラインナップしています。
乳白膜を使用した合わせガラスは、型板ガラスに代わる視線制御ガラスとして、
使われるケースが増えています。

合わせガラスの誕生秘話

合わせガラスの発見は、偶然の出来事からでした。フランスの科学者Benedictus氏は、
実験室で誤ってフラスコを床に落として割ってしまいました。
ところが、当然飛散しているはずのガラス破片が一つも飛び散っていないことに気がつきました。
そして、それがフラスコ内に 残っていたニトロセルローズ溶液の乾燥した被膜に、
ガラス破片が強固に接着されていたことによるものであることを知ったのでした。
後に彼は、自動車のフロントガラスで負傷した少女の新聞記事を読み、
ガラスの間にニトロセルローズをはさむことにより、
ガラス破損時の安全性が大幅に改善されることを考えつきました。
今から100年近くも前のことです。

[ 積水化学工業(株) エスレック(R)フィルム “合わせガラスと中間膜” より引用 ]

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