ガラスの豆知識VOL.14 結露について(3)

今回は、ガラス自体からは少し離れた話題になりますが、
結露の発生を低減させる住まい方についてのお話をさせていただきます。

冬になると、一般のお客様から「どうすれば、窓ガラスに発生する結露を低減できるの?」という
ご質問が頻繁に寄せられ、中には、「複層ガラスに交換すれば、完全に結露の発生が無くなる。」
とお考えの方もいらっしゃいます。
ご承知のとおり、結露の発生は、物理現象なので完全に抑えることは不可能なのですが、
ちょっとしたお気遣いをしていただくことにより、低減させることは十分に可能です。

では、結露を減らすには、
どのようなことをしたら良いのでしょうか?
最も効果的な方法は、原因となる湿気
そのものの発生を減らすこと、そしてマメな
換気をして湿気をためないことに尽きます。
家の中での湿気の発生源となるのは、

  • 炊事の煮炊きや、お風呂等からの蒸発
  • 洗濯物の室内干し
  • 開放型の石油ストーブ等の暖房器具や、併用する加湿器
  • 観葉植物や観賞魚の水槽

などが挙げられます。
しかし、日常の生活の中ではこれらの湿気の発生を 防ぐのはなかなか難しいですね。
だから湿気をためない、換気をして湿気を室外へ追い出すことが大切なのです。

キッチンやお風呂では換気扇を回したり、居住部(暖房している部屋)で洗濯物を干す場合には、
換気扇を回す、もし換気扇が無い場合には、窓を開けて空気をこまめに入れ替え、
湿気を室外に逃がすようにしましょう。
なお、開放型のストーブなどからは、湿気と共にCO 2も発生しています。
快適に住むためにも、定期的な換気を心がけましょう。

『サンバランス』や『まどまど』などを使用して断熱化を図ると、窓での結露発生が少なくなるので、
一見、結露が減ったように見えますが、湿気を室外に放出しない限り、
室内の湿気の量は減っていません。
窓での結露が減った分、壁の内部や押入れなど、家のどこかで結露が発生していることになります。
発生場所が分かりにくいため、家の構造部材である柱や梁などに影響を与えたり、
壁の内部を腐らせてしまったりする場合もあります。
換気しにくい押入れや収納などは、晴れた日に時々開け放して、
中の空気を入れ替える(その時は、その部屋の窓を開けておくことも重要)ようにしましょう。

部屋を閉めきっていると、人にも家にも悪い影響を及ぼします。
窓だけでなく、壁や天井、床なども家全体の断熱性を高め、
適温・適湿に加えてこまめな換気を心がけることが、健康で快適な住まいを作るポイントです。

現行の建築基準法では、シックハウス対策で1時間あたり0.5回の換気が
義務づけられていますが、これは、結露対策としても非常に有効な手段と言えるでしょう。
ちなみに、換気扇の電気代の目安は、換気扇の消費電力を20W/時間として
24時間稼動させて、 電気料金を1kW/時間で約22円とすると、
20W/時間×24時間=480W=0.48kW、 22円×0.48≒11円となり、
1日あたり約11円と算出できます。
冬の時期、結露低減策として換気扇の24時間運転をお勧めしてもよろしいのではないでしょうか。
(その際は吸気も忘れずに!)



Vol12. 結露について(1) ・ Vol13. 結露について(2) ・ Vol14. 結露について(3)

メニュー一覧