導入事例

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快適な室内

4.結露-2(対策)

熱・温度・湿度

住まいを結露の害から守る具体的な対策を考えます。結露を発生を抑える基本的な対策3点。

結露によるカビの発生など二次的な弊害と対策はここでは触れないことにしますが、原因から予想される通り、まず結露を発生させないためには次の3点を実現することが基本になります。(図1)をご覧ください。

【画像】図1

(図1)

(1)室内側の各部位、特に壁や窓周りに冷たいところを作らない。
(2)湿度が過剰になる機器の使用やライフスタイルを避け、適度に外気を導入する。
(3)空気の動かない(滞留する)場所を作らない。

(1)はなんといっても建物の断熱です。床、壁、天井(屋根)、そして窓。外気の影響で温度が下がってしまう部分の断熱が重要です。
サッシとガラスについては断熱製品を採用する以外に手段がありません。近年複層ガラスもバリエーションが増え、Low-Eガラス製品や空気層を2層持つものも現れています。
なぜ高断熱複層ガラスが結露対策になるのかは言うまでもありませんが、ガラスの室内側表面の温度が外気温に影響されにくく室温近くに保たれるからです。
(2)はライフスタイルに関係しますが、特に浴室やキッチンなど水蒸気発生場所の適度な換気に留意すること、大量の水蒸気を発生する暖房器具を避けることです(*1)。計画換気としての24時間換気の運転も室内の相対湿度を下げることに寄与します。
(3)空気が滞留するのは押し入れの奥や箱物家具の裏側、開けないカーテンの内側などですが、外壁やガラスの断熱が保たれていれば、ここの結露も軽減します。また、滞留しやすい場所には時々サーキュレーター等で気流を当てることも有効です。

結露の発生や生活スタイルを考える上でも室内の湿度に関心を持ちましょう。

【画像】図2

(図2)

結露を軽減するためには空気を動かすことも有効です。

気流を作ることは窓ガラスにも有効で、緊急対処療法的ですが、扇風機やサーキュレーターで作るわずかな気流を窓に向けておくと、サッシやガラスの結露は大幅に軽減します(図2)。

         

非暖房室結露の対策にも、各部屋の個別暖房よりある程度空気が動く全館暖房と計画換気の併用が望ましいのです。建物の断熱が良好ならば、適度な温度設定で連続空調するほうがコストも低減できるという報告もあります。しかし空調方法はライフスタイルや建築プランに関係することなので、すべての家庭を同一に考えることはできません。
先に述べた通り結露は露点温度を超えた過剰な水蒸気が水に戻る現象なので、たとえば窓ガラスの結露だけを防いでもその分がほかの場所で結露するのでは?と不安を持つかたがいます。窓の結露を防いだ分がほかに出る、ということではなく不完全な断熱部分があれば結露はそこに現れます。結露を防ぐには前述の3点に則り住まいの断熱を総合的に考え、結露ー1の表1のとおり、結露には湿度が大きく影響するため、湿度計などで室内の湿度に関心を持つことも必要です。

(*1)エアコン(電気)による暖房は乾燥しやすいため、必要に応じて加湿器の適度な使用は推奨されます。

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