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ガラスの豆知識VOL.18 紫外線とガラス

前回から引き続き、紫外線について、ガラスとの関係などを解説します。

前回のおさらい
紫外線とは光線の中に分類され、その波長は380nm(ナノメートル:1nmは10万分の1ミリメートル)以下のものをさします。人間の目には見えませんが、太陽光などに含まれ、日焼けや殺菌の作用を持つ一方で、各種化学反応を引き起こすこともあります。近年は皮膚がんの原因となる場合も指摘され、紫外線をカットする機能をもつ合わせガラスに期待が高まっています。
どうして、合わせガラスは紫外線をカットできるの?
合わせガラスの中間膜には紫外線の吸収剤が混入されています。その効果により99.9%の紫外線をカットすることができます。だから、室内の家具や床などの日焼けを抑えるのに効果的。もちろん窓辺で寝転んでいても、肌に紫外線は届かないのです。(家具や床の色あせには紫外線のほかにもさまざまな原因が考えられます。紫外線のカット率が色あせを防ぐことの保証値ではありません。)
ならば、ガラス自体に紫外線を吸収する成分を直接混入したらどうなるの?
中間膜に有機系の紫外線吸収剤が混入されているように、無機系の紫外線吸収剤(酸化亜鉛や酸化チタンなどが一般的)をガラスに混入すれば、紫外線カットガラスが出来るハズ…やってみました。できたガラスは、見事に紫外線を90%以上カットしたものの…ガラス自身が黄色になってしまい、ちょっと窓には使えませんでした。紫外線吸収剤が、着色剤となってガラスに色を付けてしまったのです。今でも、ガラスに色を付けない無機系の紫外線吸収剤は見つかっていません。

紫外線のお役立ち機能について

紫外線のお役立ち機能として「植物の生育に欠かせない」ことと、「私たちの体に必要なビタミンDをつくるのを助ける」機能があります。ビタミンDは骨をつくるために必要なため、骨の病気であるクル病の予防ができるとして、日光浴がいいといわれてきました。悪いイメージが強調されがちな紫外線ですが、私たちが生きていくためには、なくてはならない存在でもあるんですね。

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