ガラスの豆知識Vol.3 Low-E金属膜

今回は、Low-E複層ガラス特性のなかでも、“Low-E金属膜”によって
得られる『断熱性』について紐解いてみたいと思います。

●Low-E(ロー・イー)って何のこと?
Low Emissivity(ロー・エミシビティー)の略で、
『低放射』という意味です。
●Low-E複層ガラスとは?
特殊金属膜をコーティングした低放射(Low-E)
ガラスを使った複層ガラスを、
Low-E複層ガラスと呼んでいます
●Low-E金属膜には、何が使われているの?
低放射性能を発揮する金属(AGCでは
『銀』を使用しています)と、それを保護する
酸化金属を重ねた多層膜になっています。

熱の移動は、<放射><対流><伝導>の3つの形態で起こります。
複層ガラス内でも、これらの3形態が複合して起こっているのですが、
Low-E 金属膜は、このうちの<放射>による伝熱を少なくする性質を持っています。

  ※<放射>の分かりやすい例は、暖房器具に手をかざすと暖かく感じられる状態です。
     これは『放射伝熱』と言って、目に見えない熱線の放射が手に伝わってきているものです。

複層ガラスの中空層における熱移動は、
『放射伝熱』による熱移動が6割強を占めています
(残りの4割弱は、<対流>で移動します)。
Low-E金属膜を中空層に向けて使うと、
この『放射伝熱』による熱移動量を少なくすることが
できるため、断熱性が向上します。
…ということは、空気層の両側にLow-E 金属膜を設けたら、
さらに断熱性能が大幅アップ??するかと言うと…
Low-E金属膜は、中空層の片側に設けるだけで、
『放射伝熱』を8割程度抑えますから、もう片側の
Low-E金属膜で、残る2割を低減させても、
<対流>による熱移動が残るため、
透明ペヤ ⇒ 片側Low-Eペヤのような、
劇的な断熱性向上は望めません。
Low-E金属膜は、中空層の片側だけで十分なのです。

また、室温 (約25℃)に近い室内からは、波長の長い
室内熱(遠赤外線、波長:10μm)が放射されています。
Low-E金属膜は、この遠赤外線を反射することで、
室内の熱が室外に逃げるのを抑える働きをしています。

『放射伝熱』を抑えて、遠赤外線を反射する。
目には見えないLow-E 金属膜の効果によって、寒い冬でも暖かく、快適な室内が得られるのです。

Low-Eガラスの商品紹介

メニュー一覧